「え〜〜〜!?レイリーのおっさん!?」
ジンベエの背に乗せられ岸ヘと戻ったルフィとはるなたちは岩に腰掛けている冥王レイリーと再開した。
ルフィは以前会っていることに重ねての驚きだったが、ジンベエはかの有名な海賊王の右腕が気さくに話しかけていることに震えているのだろう。
「冥王<激Cリー…本物か…!!驚いた」
レイリーは麦わら帽子をルフィに被せながら、ジンベエの横で立ち尽くしていたはるなに微笑みかける。
「ふふ…随分と立派な顔つきになったなお嬢さん」
傷だらけのはるなの姿を嬉しそうに見ている偉大な男の笑顔に、はるなは思わず嬉しくなって頷いた。


「レイリーか!?そなたレイリーではニョいか!?」
すぐにたくさんの食べ物をもって、ハンコックたちが現れた。
「おお……グロリオーサか!懐かしいな」
「レイリー!」
「レイさん!」
「おお!お前達も」
「ルフィ!!」
レイリーに喜ぶ姉妹二人を差し置いて、ハンコックは顔を赤らめてルフィの元へと現れる。
「ちょっと姉様!恩人を前になんて態度!」
「お前らレイリーのおっさん知ってんのか?」
「ルフィ…目を覚ましたのじゃな…わらわ心配で夜も眠れず…は、腹がすいておるじゃろう…食事を持ってきた…!さァ遠慮せず…」
照れながらもルフィに背を向けて言葉を続けるハンコックに、ニョン婆が呆れながら突っ込む
「目も合わせられずによう結婚などと仰せなさったニョう…」
「ハンコックさん…がんばって…!」
そしてやっとはるなの姿に気づいた彼女はぱあっと顔を明るくして彼女に近づいた。
「はるな!おぬしも無事でよかった…!」
「お久しぶりですハンコックさん!本当にあの時はありがとうございました!」
さらりとはるなの髪に触れた後、痛ましい腹と足の包帯をみて唇を噛む、ハンコックは自分の腰ほどしかないはるなの腹に触れるためにそっと腰を屈める。
「……お前にも食べれる食事をもってきておる、たんと食べてくれ」

ぐ〜〜〜〜〜

「!」
「あ…よければその皆んなで…いただいてもいいですか…?」
ハンコックはジンベエの腹の音にぎろりと睨みをきかせ仕方なそうに恨めしい声をあげる。
「ジンベエ!お前の為の食事ではない!ほん〜〜〜の少しじゃぞ…!」
「す、すまぬな…はるな…」
そして大きな果物に噛み付くジンベエを見上げはるなも手を伸ばそうとするが、すぐ目の前のルフィは山盛りの食材に困ったように俯いた。普段のルフィなら何の躊躇いもなく大きな口を開けて肉を放り込んだはずなのに、食欲が湧かないほどにルフィの心が傷んでいるのが伝わって、はるなはハンコックがルフィのために用意したであろう大きな肉の塊を持って近寄る。
「ルフィ…ハンコックさんがルフィのために用意してくれたんだよ、食べよう?」
「……おれ…」
俯くルフィの背を押すように、ジンベエは音を立てて魚の骨を砕き放り込む。
「ルフィ君食うておけ!食う事は…生きる事じゃ!」
「……!」
まるで今を振り切るように必死にかぶりつく姿に、はるなはそっと目を細めて見守った。








「ふむ…シャッキーの手紙確かに受け取った。あのコも変わらん様じゃニョう」
「ああ、君がシャボンディに住んでいた頃のままだ。元気にやっている。娘達も13年前とは見違える程美しく逞しくなったものだな」
「レイリー、シャッキー、ニョン婆…天竜人から逃げる私達を3人が保護してくれたお陰よ」
「しかし困るニョう。我々は今海軍からルフィを匿っておる身じゃ。レイリーがルフィと知り合いじゃったとしても簡単にルフィの居場所を推測されたのでは困るニョじゃがのう」
4人が話し合っていると、ハンコックはやっとレイリーの存在に気づいて顔をあげた。
「え!?何と懐かしい!そなたもしやレイリーではないか!?」
「遅い!どれ程夢中じゃ!」

「フフ…いやあ海軍にこことは推察できまい。始めに彼をこの方角へ飛ばしたと、飛ばした張本人が教えてくれたのでなそのラインに女ヶ島が浮かび上がった」

政府嫌い、男嫌いのハンコックがルフィと共にするとは考えられないという結論にいたったはずだが、シャッキーはハンコックの恋を見抜いていたのだと、レイリーの話に微笑ましく笑う妹もいれば、呆れ返るニョン婆の声も続く。
「女の勘とは恐ろしいものだ」
「さすがシャッキー」
「図星も図星…この通りじゃ」
「そんなあられもない推察で海軍は動かない。ここは安全だ」
「さて本題に入ろうか。………ルフィ君」
はるなの隣で座り込んで蓄えるかのように腹に肉を詰め込んでいたルフィは、レイリーの少し低い声のトーン位思わず振り向いた。
キミはこれからシャボンディに向かうつもりだと言ったな」
「うん、仲間達に会いてェんだ!!」
「本当にそれでいいのか?シャボンディ諸島…あの島でキミ達の身に何が起きた」
「!」
「レイリーさん…!」
はるなが思わず声をあげると、レイリーはそれを含めて、笑みを浮かべる。
「ああ…なにもただ説教をするつもりはない、私から一つ提案がある。のるかそるかは勿論キミが決めろ」





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