「ねえチョッパー!!目が覚めたわこの子!!!!」
「ほんとかっ!?よ、よし…サンジ抑えつけててくれよ!!」
「んなぁーっに言ってんだ!こんな細くか弱そうなレディになんでそんな事しなくちゃなんねぇんだ!!」
「て、敵だったらどうすんだよお!」
「へーきだろ!そしたらその時やっつけりゃいいじゃねえか!」
「油断大敵よ…!何が起こってるかさっぱりわからないんだから…!」


…………………………………


ひとしきり危ない会話が頭のすぐ近くで聞こえたことを表情を変えぬよう聞き届け、はるなはゆっくり一度目を開き、つぶさに瞬きをした。暖かい毛布の下でわずかに冷えていた指先を握り、自問する。
ここは現実か? イエス。
促すように飲み込む事で、もう目の前の人間達に不用意に驚かずにすむ、はるなはまずはじめに起き上がり、自分の動きがさも自然かのようになだらかなペースで全員へと目を向けた。
見慣れた顔、顔、顔……見慣れないのは、見開いた目と驚愕と、警戒の眼差し。

……戦争の話から降ってよいものだろうか。
はるながちょうど目の前にいたルフィに口を開きかけた瞬間。

「おまえ誰だ?」
「え?」

ルフィは不思議そうに首をかしげ、 はるなの大きな目をのぞき込んだ。
そうだ、さっきの会話はあまりにも不自然だ。なんでチョッパーはあんな


「敵だったらどうすんだよ」


なんて、

「あの、……ここは」
「空だ!!」
「はっ?」

ルフィは楽しそうに声を張ってはるなにそう告げた。くしゃりと綻ぶその一点の曇りもない笑みに嘘などあるわけがない。ならば、
はるなはだんだん冷静になってゆく思考でバラバラになっていたピースを組み立てる。
かばりと布団から下り、サンジやナミが驚く声を横切って、部屋の側面に丸く取り付けられた窓に両手を張り付けた。目を凝らしそのガラスの向こうを見つめる。真っ先に目に飛び込んだのが白、そして見渡す限りの────青


「そ、………そら………………じま、?」
「なんだお前!空島知ってんのか!!」










(知っッッッッッッッッッてるよ!!!!!!!)




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