「ね?ここのポテト美味しいでしょ?」 私がそう言うと、千里くんは口をもごもごと動かしながらゆっくりと頷いた。 ああ、この顔は満足している顔だ。一緒に来て良かった。 自然と上がる口角を隠すようにパンにかじりつくと同時に、千里くんが口の中のパンを飲み込み、じっと私を見つめてきた。食べている時に見られるのは、少し、いや、だいぶ恥ずかしい。 「何か付いてる?」 「ん……」 彼の迷わず伸びてくる手に、思わず目を瞑る。そうすればふわりと何かに触れる感覚。 そっと目を開ければ、千里くんの手には大きなレタスが一枚握られていた。 「レタス、ついとったばい」 千里くんはただ一言そう告げると、レタスを口の中に放り投げた。 ×
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