inzm11 | ナノ






なあなあ鬼道ちゃん、ハロウィンって知ってる?。はあ?、知ってるに決まっているだろう、馬鹿にしているのか。いや鬼道ちゃんはお坊ちゃまだから知らないかなァっと。確かにイベントとして実際にやってみたことはないが、知識ならある。じゃあそれが今日って知ってるよな?。ああ……今日はそういえば十月三十一日だったな。忘れてたのかよダッセェ、まァそんな鬼道ちゃんに問題、これなーんだ?。……サングラスだな、随分と妙な形をしているが……。だいせいかーい、というわけで鬼道ちゃん、影山サンの部屋いくぜェ。は?、まさか今からか!?。当たり前だろォ、だって今日ハロウィンだし。意味がわからない、だいたい何故サングラスを持っていく必要があるんだ!。だからァ、影山サンに『トリックオアトリート』ってすんだよ!、わかれよ!。だから何故サングラスが関係あるんだ。んなの、トリートしてもらえなかったときのトリックに決まってんだろォ、これ影山サンにかけさせて写真撮んだよ。お前はふざけているのか、総帥は執務中だ。だから昼時の今行くんだっつの、ていうか鬼道ちゃん三十円払えよ。いきなりなんだ。これ俺の私物じゃねーの、買ったんだよわざわざ、だから割り勘オラ金払え金。横暴だ。なんだよお坊ちゃまは随分ケチですねぇアーやだやだ、佐久間とか成神とか咲山はノリノリで払ってくれたってのによォ。……なに?。あー言ってなかったっけ、これ帝国学園サッカー部は俺も含めて、鬼道ちゃん以外全員一枚噛んでるぜェ、あとついでに真帝と神サマ。神様……ああ、アフロディか……、お前ら暇なのか?。んなわけねーだろ超忙しい、そういやフィディオからも手紙来てたな、デモーニオとルシェの分もあわせて日本円で九十円相当のユーロ同封するってさ、あいつら変なとこでマメだよなァ、ていうかユーロってどこで円に換金すんの銀行?。知るか。知らねーのかよお坊ちゃまのくせに。お坊ちゃま言うな、というかなんにせよ俺は今現金を持っていない。マジかよ。カードならあるが。使えねーやつ。黙れ。おっと喋りながら歩いてたらうっかり執務室に着いちまったなァこれはもう入るしかねェよなアアア。白々しいぞ不動、だから総帥の執務の邪魔をするなと、。アン?、なんなの鬼道ちゃんは嫌なの?。当然嫌に決まっている。へーそっかそっかふーん鬼道ちゃんは嫌なんだァ?。……何が言いたい。いんやァ?、別にィ?、ただ結果報告を今か今かと待ち構えてるアイツらとかわざわざ海外から郵便送ってきたアイツらとかアイツらとかアイツらとか?、そういう奴らの期待を裏切るってんなら、まあ俺は止めねーけどさ?。…………。で、結局どうすんの?。……行く。アーン?、聞こえねぇなァ?。あああああもう行けばいいんだろう行けば!、行くぞ!。やっと腹ァ括ったかよ、まったく世話の焼ける坊ちゃんだぜ。うるさい、やるならさっさとしろ不動!。ハーイハイっとォ、んじゃあせーのでドア開けっから叫べよ鬼道ちゃん、おらよ、せーの!




トリックオアトリート!
2010.10.31




「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -