君だけを夏に置いてきた

時計の針を止める方法
留まることをしない星
熱に意識を預けて
眩しい世界の真ん中で、君は笑っていた
入道雲に消える前に
触れた温度が現実でありますように
目を逸らす理由にして
失くすくらいなら縛りつけて
嘘にだって愛はある
ひぐらしの気配
まだ秋はいらない
夕立だけが知っている
海に隠す
花火の裏側
夜風が終わりを告げる前に
また明日すらもどかしい
たった一つだけ渡された祈り
とんぼが未来を連れてくる
未来の約束なんていらない
今だけを抱きしめていたい
伸ばした手には触れてくれない
ラムネ越しの記憶
向日葵は眠りにつく
夏の亡霊
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