呆然とした眼
不機嫌を頬に詰めて
秒針の鼓動
かんざしの行方
春はまだ遠く
濁りきったこの心臓
チョコレートフォンデュの泥酔
嗚咽の真意
かまくらのなかの秘密
15メートルの逃走劇
言葉は花びらのように
煩悩に彷徨
瞑想は朝の5分
2時22分の目覚め
不憫なうさぎの話
朦朧とした月面世界
この感情は流罪と共に
歪曲のお伽噺
生まれ落ちた遺言
星の神話に恋をした
朴訥な笑顔
酸素の略奪戦争
二酸化炭素は甘い毒のようだった
サディスト・ストーリー
なんてことない、馬鹿な僕の話さ
乱反射した君の視線
ニュースキャスターは涙ながらに伝えた
ラジオで話していたのは誰だっけ
噛みついてくだいてやりたい
けれど優しく愛していたい
君はまだ無垢な子供だから
僕は今日も大人をかぶる
私が立てないそこに君はいた
マニキュアに沈めた
くまのぬいぐるみの証言
手の中の宇宙
まるで君と僕しかいないようだ
無言の語り
思ったよりも君は小さな女の子だった
屈託のない瞳の奥
左目から産み落としたあの子
対なる世界のはなし
ワンダーランドの噂話
茨の海
言葉遊びの物語
ゆがんではじけた
陽炎にさようなら
落ち葉の一生
古びた砂時計
君の教科書に記した
リボンの憂鬱
不完全燃焼
ライアー、それでも
180度の迷路
煉瓦の傷
シュークリームに夢をつめて
幼稚な僕ら
そして君は大人になっていく
時間をとめてしまいたい
レンズの先の視線
わけもなく首をしめた