裏 | ナノ

生理的鋭敏




これが、音羽先輩の、匂い。音羽先輩の体臭と欲情の混じった匂いに、僕はまみれていく。









柔らかさもあった音羽先輩の性器は、手の中で順調に熱と質量を増していった。
自分にも同じ器官が付いている。指の動く範囲を広めて先も、そこの窪みも、両手を使って刺激した。

「……ッ」

視界に映る太ももがピクリとした。耳に聞こえる息が荒い。どっちの息遣いなんだろう。先端にじわりと粘液。そのまま懸命に手を動かしていると視界の中で先輩の手が舞う。

「充分だ」

そう言って一呼吸する隙に、僕は手にゴムを持ち根元まで被せた。待っていたかのように自分のそれを軽く確かめる器用な指。更にローションが垂らされ、鼻腔が擽られるような気がする。

ゆっくりと、その先端部に唇を落とし、そのまま銜えた。

口に入れるには思ったより太く感じるし、ピクピクする。奮起して苦しくない辺りまで口を動かす。舌の形を変えつつ可能な限り添わせて銜えていたら苦しくなってきた。一瞬だけ離す。
入れ代わりに指を。
…あ、そうか。根元付近を手で扱き口を強く愛撫しながら動かした。

ここまでしたんだから多少は気持ち良くなって下さい。…なってますか?
キツい体勢で見た音羽先輩の顔は、大丈夫かなって思う位威厳の無くなっていて、目がまさにキモチイイと言っていた。吸い込まれそうな程に見つめられていて心臓が大きな音を立てる。そんな目をされたら、頑張るしかない。

裏筋も刺激してイッパイイッパイになりながら手で唇で舌で性器を愛撫し続ける。夢中になっていたら手先で包んでいるゴムがもう動かない。

「…ぅ……ッ、刻阪、もういい」

手で根元から扱き上げて唇と舌でねっとりした返事をした。

強く頭を抑えられ口は勿論喉の方まで先輩の性器が押し入って、大きく弾けた。





やっぱり苦しかった。変に達成感もある。

「刻阪、息荒いな」
「大変でした」
「それだけじゃないだろ。…勃ってるぞ」
「ひ…ッ!」

布越しに不躾に揉まれた。先輩の指を引き剥がす指が邪魔だと言わんばかりに何度も取り払われる。

「…ッ、いい…ッしなくて」
「ここまで勃ってるなら出しとけ」

出しとけと言う割りにやわやわとした中途半端な触り方で余計にヤバい。

「気づいてないだろうがな、さっきからお前……凄い顔してるぞ」


───そそられる。



折角の達成感はいつもの体勢になった途端にどこかに行った。




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