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『えー!!』


チェッって舌打ちをしながら拗ねるルカ

だってこれ以上触らせるとルカはどんどんエスカレートしてくんだもん



『手は繋いで良い?』


『手は良いよ』


ルカが手を伸ばして私の手を掴む
私はこれだけでも幸せ


二人で教室に帰る間もルカはずっと手をギュッと繋いでた





授業が終わってルカが教室まで迎えに来てくれた
けど大迫先生に頼まれたプリントがまだ終わってなかった


『ルカごめんね。先に帰って良いよ?』


『ううん、待ってるから大丈夫』


『ありがとう、急いで終わらせるね』



誰もいない教室でルカ二人っきり
意味もなく緊張する

ルカは私の向かい側に座ってジーッと私を見てる


『あんまり見られても困る・・・』


『美奈子可愛いね』


会話のキャッチボールが出来てない・・・



プリントに集中しようとするとルカが私のほっぺをツンツンしてきた



『美奈子のほっぺ柔らかいね』


『・・・・・』


無視しないとプリントが終わらないもん

ずっと無視してるとルカはほっぺを撫でたり髪を触ったり、耳に息をふーっと吹きかけたり



『もう!!ルカ!!』


『美奈子に触ったらダメ?』


ルカは小首を傾げて真っ直ぐ私を見る
そんな顔されると何にも言えなくなっちゃう・・・



『ルカ、私に触りすぎだよ』


『だって美奈子が好きなんだもん』


『人前では触らないでって言ったでしょ?』


『・・・わかった。もう触らない』



ちょっときつく言いすぎちゃったかな?
でもいくら誰もいない教室でも、誰かに見られたら嫌だもん



それからプリントが終わるまでルカは私に触れることはなかった





少し早めにプリントも終わって学校を出た


いつもなら手を繋いでくれるのにルカは何にも言わない


手も繋がず私の家まで送ってくれたルカ


『ありがとう』


『じゃあね』


ルカは手を軽く振って帰った

バイバイのキスもしてくれないなんてちょっと淋しいな・・・


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