earnest
「っ!??」
すっかり意識を飛ばしていた俺の首筋に触れる冷たい感触
いやいや、マジで!?今まだ七時!有り得ないっしょ
だいっきらいなモノが予想できて、慌てて振り返る
「ニーナくん、お待たせ!ごめんね?」
「っ…はぁ、マジビビった…」
ごめん、あんなのに間違えて
そんな風に心の中で謝って小さくため息。
「?どうしたの?」
走ってきてくれたのか、美奈子ちゃんの息は少し上がっていて、ほっぺたも真っ赤で
……可愛いったらない
「はぁ…ヤダヤダ」
「ニーナくん?」
「惚れたものが負けって良く言ったもんだよなー」
怒ってやろうと思ってたのに、顔みただけで怒りふっとぶなんて…
マジでずるい。
座りなよ、と前のソファーを指さすと、このとんでもお姫様は馬鹿でかい爆弾を落としてくれた
「ふふっなら、私の負けだね。ニーナくんには勝てないもん」
「………」
惚れた方の負け
↓
私の負け
↓
俺が好き
…………まったく、この人は
「マジパネェ…」
「??」
「俺もあんたに勝てる気しねぇわ」
なぁ、中坊の俺
本気になるのも、
熱血も
あんがい悪くねぇかもよ?
−−earnest−−
「ニーナくん、今日はずっと一緒にいれるよ?」
「へ?」
「お泊り許可貰って来ました♪」
「……マジ?」
「マジです」
「……寝かさないかもよ?」
「ふふっどうぞ?」
まぁ、一生翻弄されるかも、しれないけどな…
END
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