狂った歯車 | ナノ

▽ 暗転


勇気を出して、プレゼントを渡しに行ってから今日は期末テストの日


ニーナの笑顔が忘れられない
もっとたくさん話したかった
だけどちょっとショック…
思いっきり『付き合ってねーよ』って否定された…


しかもちょっと怒ってるみたいだった
わからない…
ニーナが何考えてるのか全然わからない…
プレゼント渡した時は、すっごい笑顔で笑ってくれたのに、あとはずっと不機嫌だった…


迷惑…だったのかな…
二年の教室まで押しかけて、あんな所でプレゼントなんか渡しちゃったのがいけなかったのかな…
お友達も勘違いして聞いてくる位だし、やっぱりそうなのかも…
クラスに好きな子とかいて誤解されたくなかったのかもしれない…
同じクラスの子達が羨ましい…





開いてはいるけど、そんな事ばっかり考えて、ちっとも頭に入ってこないノートを眺めてると、突然カレンが話し掛けてきた


「バンビ!ごめーんアレ持ってない?」


語尾を小さくして、片手でゴメンのポーズをしながらカレンがきいてきた
一瞬何の事が頭が巡らなくて、キョトンとして小首を傾げ、ハッと思いついてバッグを開く


「はい、しばらくポーチごと持ってていいよ」


カレンに小さなナプキンポーチを渡してニッコリ微笑むとカレンが抱きついてきた


ちょっと待って…
心臓がドクンドクン脈打ちはじめた


「さっすがバンビ!もう!愛してる!」

「早くしないとテスト始まっちゃうよ?」

「うん、ありがと〜!」


カレンにニッコリ微笑んで手を振って見送り、お腹に手をあてる


…生理…いつ来たっけ…
ザワザワした教室のみんなの声が聞こえなくなってくる


たまに不順だったし、そういう事した事なかったから、あんまり気にしてなかった…




でも今度は違う…




どうしよう…




怖い…




誰かに相談?




誰に?
こんな事誰にも言えない…





ニーナに…?
わたし…彼女でもないのに…
何ていえばいいの…?




ニーナ絶対困る
関係も終わっちゃう




嫌だ…





でも、怖い…



怖いよニーナ…
お願い…助けて…怖いよ





「教科書しまえー!!」


教室の扉が勢いよくガラリと開いて、大迫先生の元気な声がして、慌ててノートをしまって、目の前にテスト用紙が配られた

どうしよう…頭がグルグルしてる
問題がただの文字の羅列に見えて、意味が全然わからない
何度同じ列を読んでみても、頭で理解出来ない、集中しなきゃ…


ダメ…無理…
全然わかんない…
ペンを持つ手が震えて、字も上手く書けない





「そこまでーーー!!おらー!ペンを置け!」


終了のチャイムがなって、大迫先生の声が響き、ほとんど白紙で出してしまった答案用紙




どうすればいいの…?


検査薬とか買えない…
誰か知り合いに見られたら困る…
もしそうだったら、親になんて言えばいい?


急激に押し寄せる現実に、足元が真っ暗になってくる



わたしこんな大事な時期に何してるんだろう…


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