狂った歯車 | ナノ

▽ 淡い期待〜番外編


受験も近いのに、色んな事がありすぎて成績が落ちてたから、ここで頑張らなきゃ一流大学に行けなくなるかもしれない
大迫先生にも怒られっぱなし…
でも最近もう一浪しちゃってもいいかな…とかバカな考えも拭えないな


一浪したところで結局は卒業、別にニーナと同じクラスになれる訳でもない…
はぁ…何でわたし年上なんだろ…


わたし…ニーナの何なのかな…
やっぱりただ…エッチしたいだけなのかな…
ハッキリ言われちゃってるしな…
言われた事を思い出して、一気に心が重くなる

この前初めてニーナに自分からキスをした
すごくドキドキして、恥ずかしかったから、思わず逃げちゃってそれっきり…
ああ、もう恥ずかしいよ…
どうして何も言ってくれないの?
ホントは嫌だったのかな…


また逃げちゃって怒ってるのかな…
好きとか気づかれちゃって、そんなの困るって嫌になっちゃったのかな?


しかも部長になっちゃったから忙しいみたいで、メールくれるワケでもないし、こっちからも何だか恥ずかしくて出来ないし


メールとか電話とか、してみてもいいのかな…

たまに様子を見に行ってる嵐くんから、『新名がメチャメチャ頑張ってる』って、教えくれた頑張ってるの邪魔しちゃダメだよね…


でも、会いたいな…


ホントに部活でしか接点がなかったんだな、って思い知らされるばかりで、季節も変わってしまった
明日はニーナの誕生日…プレゼント位は渡しに行っても大丈夫…かな…?


「バンビ、顔、百面相みたい」

「み、ミヨ…」


目の前にいるミヨがわたしを見透かす様な目でみてて、それをジッと見つめ返すと、ニッコリ笑ってくれた


「頑張って」


すっかり心の中を覗かれたみたいで、恥ずかしくて、ブンブン頭を縦に振って決意を固めた
わたし今…顔真っ赤なんだろうな



お店を色々みてまわって、ニーナが好きそうな物を探す
うーん…何がいいかな?


ニーナ釣りも好きだし…
服も同じブランドのやつ好きって言ってた…

でもどれも、これもピンとこなくて、色んな物を手にとっては戻してた

キョロキョロしてたら、葉月珪のポスターが目に飛び込んできた



あ…シルバーアクセ…
ジュエリーデザイナーに興味あるって言ってた…


お店を探しまわって、何とかピンとくるものをみつけた



コレ…喜んでくれるかな…?



綺麗に包装されたプレゼントを、キュッと抱きしめる



この想いが届きます様に…



かわいい紙袋に詰め替えて、通学バッグの隣に絶対忘れない様に置いた




ニーナ…笑ってくれるかな…?


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