狂った歯車 | ナノ

▽ 飢えつづける躯〜番外編


目が覚めると、まだ外は薄暗くて隣をみるとニーナが熟睡してた


寝顔…かわいいな…


あどけない寝顔に笑みがこぼれ、体を起こそうとすると抱きつくように、腕が回されてて、もう少しだけ寝顔をみていようと、腕に頭を寄せる


お願いだから…好きでもないのに、たまに優しくしたりしないで


ニーナの事が好きなの…
割り切れなくなるから


乱暴にされても、ただ体だけだと言われても、離れようとしても、あなたに心も体も捕まって溺れてしまう自分が嫌なの


ホントは優しくされたい
ホントは優しく抱いてほしい


お願いニーナ…
つらいの…苦しいの…


ニーナに笑って欲しくて、ご飯も頑張って作ったの
あなたの笑う顔がみたかったの


気づいてる?


ニーナ全然わたしに笑わなくなった


他の人に笑ったりしないで…


自分がどんどん嫉妬にまみれていくの


ねぇ…わたしがもっと遅く産まれていれば、もっと、もっとニーナの側に居られたの?


ねぇ…お願いだから、前みたいに笑顔をみせて


ニーナを起こさないように、そっと体を起こすと全身に痛みが走る
手首に縛られた跡がクッキリ残ってて、涙が出そうになる
ベッドから立ち上がると、ニーナの残滓が太ももを伝い、荒らされた場所は激しい痛みで、上手く歩けず自分の体じゃない気がした
それをティッシュで拭き取ると、血が混じってて昨日の行為を思い出し涙が零れた


いっそ嫌いになれればいいのに…


初めて会った時からずっと気になってた
嵐くんが無理矢理、柔道部入部させて凄く嬉しかった
学年が違う以上、ニーナとの接点なんて部活位しかなかったから


年上で自信がなくて、学校じゃいい先輩でいようとばっかりしてた
二人で出かける時は、わざとニーナに触ったり、腕組んだりして、少しでも意識してもらいたくて、そんな事ばっかりしてた


こうなってしまったのは、わたしのせいなのかも知れない…
こんな関係を望んでた訳じゃなかった


服を着替えて、貸してくれた服を抱きしめて、綺麗にたたんで、ベッドに置いて携帯を出しメール画面を開いて、文章を打ちはじめ、その手を止めた



ねぇ…また逃げたら、追いかけてくれる?
そしたら求められてると勘違い出来るから…
今度は素直になるから…
一度でいい、優しく抱いてくれる?



眠るニーナの顔をもう一度みつめて、そっとキスをしてみたら、止まったはずの涙が零れた


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