狂った歯車 | ナノ

▽ オレの兄ちゃん


次の日友達と遊んで帰って来たら、家にうちには絶対ありえない、かわいい靴が隅っこに綺麗に揃えて置いてあった
あー、ヤバい…今、帰れなくね?
玄関をソッと閉めて、友達に電話をかける


「ねー、今日泊めてー、兄ちゃんが彼女連れ込んでて、家帰れないのー」


半ば強引に友達ん家に押しかけて、泊めてもらって、次の日家に帰ったら、シンとしてるけど、ネーチャンはまだいるなー
やっぱ昨日えっちとかしたのかな?
そこは健全な男子として興味あるでしょ
あー、でも兄ちゃんだもんな…
うっわ想像したくねぇ!

ネーチャンどんな感じなんだろ…
想像したら何かエロい…
あー、こんなん兄ちゃんに言ったら、ぶっ飛ばされそう…


一応声掛けとかなきゃ、自然に、自然にね…
オレいますよーってさ


「兄ちゃーん?寝てんのー?」


うん、多分これで何とかオレ居るってわかるはずだよなー
さてさて、またちょっとコンビニとか行って、時間潰してる間に出掛けてくれりゃいいけど…帰って来たばっかなのに、また外に出てくハメになっちゃった


何気にオレ兄ちゃん思いじゃない?
けどさー、やっぱ兄ちゃんには笑ってて欲しいんだよなー
前みたいな兄ちゃんらしくない顔なんて見たくないよ
何でもないとか下手な嘘とかついちゃってさー
でもさ、笑顔取り戻してくれたのネーチャンだろ?


そんな事考えながら、買い物して帰って来たら、玄関で兄ちゃんに鉢合わせした


「うわっ!兄ちゃんいたの?」


出るの遅すぎだろーーー!!
何の為に人が家出てたと思ってんの?


「いちゃ悪いのかよ」


悪いよ!わーるーい!!
気まずいって!!
変な想像しちゃうって!!
兄ちゃんの後ろから、ネーチャンが顔を出してオレに挨拶する


「おはよう、徹平くん」

「え?ネーチャンも居たの」


オレ、今ワザとらしくなかったかな?


「朝から迎えに来てもらったの、ね?」


兄ちゃんバレバレだよ…
ネーチャン何かびっくりした顔してるし…
本当に嘘つけない男だな…兄ちゃんって


「え?あ、う、うん」

「兄ちゃん男なんだから迎えにいけよなー」


いいよー、乗ってあげる


「オレらもう出るから」

「えーっ!ネーチャンと話したい!」

「今度だ、こーんーど!!」


兄ちゃんがネーチャンの手を握って、グイグイと引っ張って行く


「て、徹平くん!ま、また今度ゆっくりね!」


うん、しっかりと聞かせてもらうかんね!
ネーチャンが手を振ってくれて、オレもそれに手を振り返す


兄ちゃんの顔をみると、ネーチャンと笑いあっててすごく幸せそう
あんな幸せそうな顔みた事ないや
こっちが照れちゃうよ

もー、ヤダヤダー
あのね、ネーチャン…
うちの兄ちゃん絶対お得だよ!
すっげーネーチャンの事大好きだよ

たまにへたれで、見た目チャラ男だけど真面目で一途だし、マンガいっぱい持ってるし、ん?コレ関係ないか、何だかんだで面倒見いいし、何か色々知ってるし、頭いいし、勉強教えてくれるし、つえーし、柔道部の主将だし?




オレの自慢の兄ちゃんなんだ




だからその兄ちゃんをあんなに幸せそうな顔にしてくれるネーチャンが大好き!


いつか本当にお姉ちゃんになってくれたらいいのにな…



けーどー!
弟の心知らずな兄ちゃんに鉄槌!


『かーちゃんに黙っててあげる、貸しね』


メールで兄ちゃんに知ってたってバラしてやる!
どんな顔すんだろ?帰ってくんの超楽しみ!


なぁ〜にしてもらおっかな〜




END


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