狂った歯車 | ナノ

▽ オレのカノジョ〜前編


スーパーで買い物して、家の鍵を開けると中は真っ暗で電気をつける


「徹平どっか遊び行ってんなー」

「そっかー、じゃあ材料買いすぎちゃったかな?」

「オレが全部食うし!腹減った!上がって、上がって!」

「おじゃまします」


靴をきれいに揃えてオレの後ろをついて来る
リビングのテーブルに、買い物袋を置きふと頭をよぎる
前は…無理矢理連れ込んじゃったんだよな…
大丈夫かな…?
後ろをみると、オレと目が合って小首を傾げた


「どうしたの?」

「何でもないよ、部屋に荷物置きにいこ?」

「うん」


部屋に入ってすぐ横のスイッチで電気を点け、アンタがバッグを置いて、扉に向かって歩いてくる
オレの目の前で止まって、アンタが不思議そうに見上げた


「旬平くん?」

「キスしていい?」

「うん、いいよ」


アンタを抱きしめてゆっくりと唇を重ねると、体に手を回して、キスに応えてくれる
本当にゴメンね…
名残惜しそうに唇を離すと、アンタがまたキスをしてくれた


「大好き…」

「わたしも大好きだよ、どうしたの?」

「なんでもないよ」

「そう?ご飯作るね!」

「うん」


アンタがニッコリ笑うとオレもつられて笑う
キッチンであん時みたいに、手際よく料理を作るアンタを見てると、思い出して少し胸が痛んだ
TVをつけてキッチンで忙しそうにする姿にズーッと目を奪われてた


「ずっと見られてると、緊張するんだけど…」

「えー、何かカワイイしー」

「もう!」


オレがヘラッと笑うと、膨らませてた頬っぺたが弾けて笑顔に変わる
もう…オレのカノジョなんだ
あん時とは違う
アンタが笑ってくれるだけで、今こんなに幸せ
マジで大好き…


「お腹すいたー!」

「もうちょっとだよ」


3/5

[ | back | ]


QLOOKアクセス解析
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -