▽ オレのカノジョ〜前編
今日は遊覧船デート、アンタがはしゃぎながらオレを呼ぶ
もー!落っこちゃうんじゃないかってスゲー心配
「ね、ね、旬平くん見て!天気いいからすっごい遠くまで見えるよ!」
「ホントだ!んー?何かこの会話さ、前した様な気がする」
「え?きゃっ!」
「あっ…ぶね!」
急に揺れる船体に思わずアンタの体を抱きしめる
「ビックリした…、あっ…」
「ん?何?」
抱きしめてたアンタの顔がスゲー近くて、少しドキドキしてたら、アンタが急にキスしてきた
「さっきはダメって言ったクセに」
オレが口を尖らすと、クスクス笑いながらオレを見上げる
「したいなって思っちゃった、わたしね…初めてデートした時から、旬平くんの事好きになる気がしてたよ?」
「マジで!?オレも!!」
思わぬ告白に俄然テンションが上がってくる
あーもう!やっぱり運命じゃん!
スッゲー好き!!
ギュウっとアンタを抱きしめて、もう一度キスしようとしたら、人が後ろ通って行って、アンタが真っ赤になって、慌ててオレから離れた
「もう一回したい」
「人、来ちゃうからダメ」
「えーっ、いいじゃん」
「ダーメ」
「ケチ!」
ユッタリ海を走る船の上で、手を繋いで二人でいっぱい話してた、会話なんて全然尽きなくて、色々遊んでたらホントに楽しい時間なんてすぐ過ぎちゃう
だんだん日が傾きかけて、もうすぐ19時前
そろそろ腹減ったな…
「ご飯どうする?」
「旬平くんのお家、お母さん何か作ってたりしない?」
「うち今日、親いないよ?かーちゃんが商店街の福引き当てて、とーちゃんと旅行中」
「そうなの!?すごーい!あ、じゃあ徹平くんはご飯どうするの?」
「何か食べんじゃね?」
アンタが何か思いついた様にオレを見つめて、喋りだした
「わたし、ご飯作りに行っちゃダメかな?」
「え!?マジで!?何か作ってくれんの?」
「うん、徹平くんも一人でご飯じゃ寂しくない?」
「徹平とかいいって!オレの為に作ってよ!」
ちょーラッキーじゃん!
アンタの手料理食べられて、もちょっと一緒にいられて、マジで幸せ!オレホント幸せ!!
「何か食べたいのある?」
「パスタ!トマトソースのやつがいい!」
「じゃあ、買い物してから旬平くんのお家行こ!」
「うん!」
目が合って二人で笑いあって、繋いでた手をギュッと握ったら、アンタがまた強く握り返して、満面の笑顔でオレに笑ってくれた
アンタの笑顔が大好き!
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