▽ そして時は動き出す
「ニーナ?」
その声に振り返るとアンタがいた
マジで…?
伝説とかそんな事未だに半信半疑だし
これも…夢かもしれない
だけどオレに近づいてくるアンタは紛れもなく本物で、ただ今ここでアンタに会えた事は奇跡に近い
「良かった…いてくれた」
「なんで…ここに?」
「ここに来ればニーナに会える気がしたの」
「な…んで?」
オレだってもしかしたら会えるかもしれないって思ってた
「この前…何も言えなくてごめんなさい、それでもニーナに伝えたい事があるの」
「…何?」
急激に心拍数が上がる
この前の返事って事?
真剣な目をしたアンタから目も逸らせなくて、ただ黙ってアンタの次の言葉を待っていた
やっぱ面と向かってフラれちゃうのキツイな…
「あんな事になってしまったのって、ニーナのせいだけじゃないよ、逃げようと思えば逃げれたし、メールだって無視したり、会わない様にする事だって出来た、けど…わたしはそれが出来なかった…」
キレて無理矢理体の関係をもたせたあの日から、ただアンタが欲しかった
心が手に入らなければ、体だけでも自分のものにしたかった
だけど抱けば抱く程、心も何もかも欲しくなった
そして1番大事な時にアンタを恐怖のどん底に叩き落としてしまった
思い出して自分に反吐が出そうになる
「…どんな形でもいいから、ニーナと繋がってたかった…例え、体だけの関係だったとしても…だから、ニーナだけが悪いんじゃない」
意味がよくわからない
アンタは何を言ってんの?
どう考えてもオレが悪いじゃん
「わたしのせいで、ニーナの人生が変わっちゃうのが嫌だった、後悔なんかして欲しくなかった、だから大学に合格すれば、リセット出来るって思った、きっと大丈夫だから、もう自分が悪いとか、そんな風にニーナに思って欲しくない」
一気にまくし立てるように、アンタが言葉を繋げていくのを、オレはやっぱり混乱しながら聞いてた
何…?
どうゆう事…?
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