狂った歯車 | ナノ

▽ 暗転


もうすぐHRも終わって補習の時間
3年の教室に向かい中を覗くと、一人きりで窓際で俯いてるアンタがいた


「あ、いた!」

「…ニーナ」


うっわ…何その暗い表情…
マジで何があったんだよ
まぁ、昨日嵐さんに見せて貰った教科書で予習してきたしぃ
少しでもアンタにいいトコ見せたいしぃ


「手、止まってんじゃん、見せてよ」

「みたってニーナにはムリだよ…」

「…なんで?」

「だって学年違うし、内容もわからないだろうし」


だから昨日嵐さんに頼んで、少しは勉強したつもりなのに、どうしてアンタはそうやってオレを拒むんだよ?


「それに今からクラスの子と一緒に…」

「…それ、男?」

「え?」


ダメだ…オレ余計な事いっちゃう


「ソイツも補習組だろ?なのに頼りになるのはそっち?年下に勉強教えられてたまるかって事かよ」

「…どうしてそんな風になっちゃうの?」


悔しい…
ソイツはただ学年が一緒ってだけでアンタと一緒にいられるんだ
この学年の壁だけは取り払えねぇって事じゃん
少しはアンタの為に何かしたいだけなのに


「オレが同級生だったらアンタはきっと、じゃあ一緒に勉強しよっかとか、いっちゃうんじゃねぇの?」

「それは…」

「…帰るわ、勉強の邪魔だろ?」


いっつもそう、そうやって最後には年下って事が引っ掛かる
じゃあいつまで経っても絶対埋まらない
結局アンタはオレにも高嶺の花だったって事かよ、じゃあ気まぐれにキスとかして期待させんな
ムカついて教室を出て早足で、渡り廊下を歩く


「ニーナ!待って!頼りにならないとか、年下だからとかそんなの思ってないよ!」


呼び止められて足が止まる
どうして追い掛けてくるんだよ


「じゃあ、どうしてあんな事いうんだよ!」

「補習なんだよ!!あの後クラスの子も大迫先生だってくるじゃない!!ニーナの気持ちは嬉しいけど、そういう事どうして分かってくれないの!?」


振り返るとアンタが泣きそうな顔で、またそんな顔をさせてしまった自分のガキっぽさが情けなくなってくる



4/8

[ | back | ]


QLOOKアクセス解析
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -