狂った歯車 | ナノ

▽ 暗転


期末テスト最終日、結構テスト簡単で『楽勝』なんて思いながら、部活に行こうとしてた
大迫先生に預けてた鍵を取りに、職員室の前までくると、大迫先生のでかい声が聞こえてきた
少しだけ開いた隙間から、その様子が見えて、覗いてみた

怒られてる後ろ姿はどうみてもアンタにみえる


「このままだと、二流どころか、大学どこも受からないぞ?最近どうしたんだ?」

「…すみません…」


それ…かなりヤバくない?
学年1位だったじゃん…
そこまで落ちるって…


「何か悩んでるなら、言ってみろ?相談でもなんでも乗ってやるから」

「…何でもないんです」


絶対オレのせいだ…

しばらくその会話を聞いてたら、職員室の扉が開いて、アンタが出て来た


「あ…の、ゴメン話し聞いちゃった、今いい?」

「…うん」


二人で近くの階段に座って、アンタの方みたらこの世の終りみたいな顔してて、マジであせる


「オレの…せいだよね?」

「…違うよ、ちゃんと勉強しなかったわたしが悪いの、全然テストも集中出来なかったし、受験までには何とかするし…」


悲しそうにオレに微笑んでくれる
気を遣わせない為?
そしてまた何か考える様に、俯いて黙ってしまった


「あ…のさ、今度…」

「ゴメン…、わたし明日から補習だから、少しでも勉強しなきゃいけないの、もう行くね」

「補習!?それヤバくない!?」


赤点3つ以上あるって事じゃん
大学受かるとこねーじゃん…


「うん…全然わかんなかった」

「大丈夫じゃないよね?」

「ちょっとね」


困った様に笑う顔もずっとみてたい、アンタが少しオレに歩み寄ってくれたから、気持ちが溢れてきて、貪欲になってくんだ
もっと話したい、側に居たい


「…もう行かなきゃ」

「もうちょっと一緒にいてよ」

「ゴメン、ニーナわたし本当に…」


何かを喋ろうとする唇をキスで塞いで、何度も角度を変えて唇を貪った


「んっ…ぅ」

「行かないでよ」

「ニー…ナ…お、願いやめて…んっ、…い…っや!!」


胸を押されて、思いっきり突き放された
アンタが泣きそうな顔してて、階段を駆け降りて、オレは一人そこに取り残された


…何それ…?
思いっきり拒否られた…


訳わかんない…



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