狂った歯車 | ナノ

▽ 狂った歯車


「押〜〜〜っ忍!…って誰もいねぇし!」


あっれ〜??確かにアンタだと思ったんだけど鍵も開いてるし何で??
部屋に入りキョロキョロ見回してみる。まだ誰も来ない部屋はしんとしていて少し寂しくなる


「あ〜昨日掃除ん時タオル置きっぱだ」


ネクタイをゆるめながら、たてつけの悪い用具室のドアを勢いよく開けた。


「…え?」
「き、きゃぁぁああ!」


目の前に探していた人物が上半身だけ下着姿で立っていた


「う、うわっ!ご、ごめん!!」


慌ててドアを閉めると。バクバク心臓が激しくなってくる。


「な、な、なんでこんなトコで着替えてんの!」
「ニーナこそ何でこんなトコ開けるのよ!いっつもみんなそっちで着替えるでしょ!」
「ああ、そ、そこにタオルない?昨日最後の掃除ん時そこに置いた気がすんだけど」
「あ、あるよ!きゃあ!!」


ガラガラと物が崩れる音がする。


「ちょ、ちょっと大丈夫!?」


ソーッと開けるとモップやら埃っぽい空き箱やらホウキやらに押し潰されたアンタの姿。
着替えまだ済んでないし…。
目のやり場に困るし…。


「いた〜い…あ、あったよ!」


そんないつもみたいにニッコリ微笑んで誘ってんの?
アンタ自分の格好忘れてるでしょ?


「…いいから早く服着て!」


視線をそらしながら近くにあったジャージをバサリとかける。


「あっ!」


少し頬を赤らめてモゾモゾジャージを羽織ってハイッと渡される。


「あ、あんがと、ゴメンオレのタオルのせいだよね」


自分のドキドキを隠すようにさっさとモップを立て直す。


「モップどかしてからとれば良かったね」


オレにペロッと舌を出して一緒に空き箱を片付け始める。
うーわ!何だよその仕種!!
すっげえいい!!カワイイ!!
ギューッとかしてぇ。


「…入ってきたのニーナで良かった」


片付けながら言われた言葉に鼓動が跳ね上がる。
え!?待って!それどういう事!?いい意味なの?悪い意味なの?


「…あ、嵐さんだったら?」
「あ、嵐くんだったら、絶対ダメ!!恥ずかしいよ!!ニ、ニーナはびっくりしたけど、何か弟みたいで安心っていうか…」


なんだよそれ?
それって結局オレを男ってみてないって事じゃん急激に心が冷えていく。
嵐さんの話しだけでそんな耳まで真っ赤になるくらい好きだった訳?
じゃあ何でオレとデートしたり腕組んだり手繋いだり出来んの?


弟って…思ってたから…?


「ここ埃っぽいね!一回ちゃんと掃除しなきゃダメだね〜」


パタパタと服の埃を払いオレにも近づいてきてパタパタと埃を払ってくれる。
ガキ扱いすんなよ。


「ニーナ!わたしTシャツ中に着たいから外出ててくれる?」

「弟なのに出てなきゃダメなの?」


え?って顔でこっちを見上げた。

「なにいってるの?」


開いていた扉を閉めゆっくり近づいてじっとみつめる。
こんなに好きにさせられてハイそうですかって引けるわけねぇだろ。


「ニーナ?」
「ふざけんなよ」


沸々と怒りがわいてくる。
メチャクチャにしてやる。
何もかも壊れてしまえばいい。
本気にさせたアンタが悪いんだ。



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