狂った歯車 | ナノ

▽ 悲しい嘘


『1人で?』


見てたなんて言えないから、わざとそう聞いてみたら、しばらくレスが来なくて、携帯をいじって、返事を待って、ようやく返ってきたレスは見てたオレにしかわからない嘘だった


『うん』


うん…?嵐さんと一緒だったじゃん
何で隠すんだよ
ザワっと髪が逆立つような感覚に襲われる


「オレ、授業フケる」

「は?」


『待て』と止める友達振り切って、ガタンと席を立ち、教室を出て、階段を降りて渡り廊下を走る
もしも、嵐さんがまだ隣に居たらアウトだけどとにかく今、会いたい
放課後まで待てない
アンタが見当たらなくて、キョロキョロと辺りを見回す
何か自分でもわかんない感情がグルグルとしだして、不安な気持ちに襲われる


「ニーナ?何でここにいるの?」


名前を呼ばれ振り返った先にアンタがいた
ビックリした様に、そこに立ってて、すぐちょっと戸惑った様な顔をした
そっちから話しかけてくんのにもビックリしたけど、何だか少し嬉しい


「嵐さんは?」


え?という風に顔を上げて、すぐに俯いてオロオロしだす
何だその反応…マズイ事でもあるの?


「…しら…ない」


嘘つかなきゃいけない事でもあんの?
何かあったの?
オレにはそれを追求する権利もなんもない
『お似合いだよな』急に頭にそのフレーズが過ぎる


「…あの…授業始まっちゃうから、行くね」

「サボれよ」


早々とその場を去ろうとするのを呼び止める
困ったように足をとめる


「サボれないよ」

「ついて来て」

「え…?ま、待って」


バカだね、逃げちゃえば授業いけんのに、スタスタと歩いていくオレの後ろをついて来る


「こっち」


階段を昇ると滅多に人が来ない場所、職員トイレがある…特に授業中なんか絶対人なんか来ない
近くまできて人がいないのを確認する
遅れて追いついてきたアンタの手を引き、男子トイレに連れ込んだ



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