狂った歯車 | ナノ

▽ 歪む心


ギリッ、っとペットボトルを強く握る。
嫉妬で胸を掻きむしりたい衝動に駆られ、キッとアンタの顔をみる。
返信って今する事?
すげぇムカつく…。


「こいよ」
「…だって…もう…」
「何度も言わせるなよ!!」


怒鳴られてビクッと体を強張らせ、ソロソロとベッドに近づいてくる。


「喉…渇いたでしょ?」
「え?」


手を引っ張って、ベッドに転がしてまたがり見下ろす。怯えた表情を見せてアンタがオレの次の行動をうかがっていた。
オレはミネラルウォーターを口に含み、そのまま口づけて流し込こんだ。


「うう…っ!!」


コクッと喉が鳴り、飲み込みきれなかった水が口の端からこぼれだす。
アンタはケホッとむせて、横を向く。かまわずその肩をベッドにつけ無理矢理口づけると、苦しそうにもがき涙が溢れさせた。


「ぅ…んん!…く…るしぃ…!」


少し息を吸わせてやり、さっき結んだばかりのバスローブの帯をはずし左右に開く。
唇をまた重ね、舌を入れ、逃げる舌を追いかけ、絡みついて、唾液を混じりあわせる。
漏れた唾液を舐めて、首に吸い付くと、体をのけ反らせた。


「ダ…ダメ…首には…つけないで…」


嵐さんに見られたら困るから?
そういわれると余計困らせたくなって、頭を抱き込むように抑え、制服でギリギリ隠れる場所に、吸い付き鬱血させる。
反っていた体が諦めたみたいに、大人しくなる静かに涙を流し、力を抜いた。

頬にキスをして、もう一度唇に口づける。
目を開けると、涙で潤んだ大きな目が、悲しそうにオレを見つめた。
直視出来なくて、膨らみに手を伸ばし、赤い突起を揉みながら舐める。
白い半球の全部に愛撫を施しながら、秘部をなぞるとクチュリと音を立てた。

充分に潤んだそこに、バスタオルに覆われて苦しそうに勃起していた自分のペニスを出し、ゆっくり埋め込んでいった。


「ん…ぁ…」


今までと違う甘い声に一瞬耳を疑う。
目を閉じて、されるがままの姿をじっと見つめ、ゆっくりギリギリまで引き抜くと、熱い内壁がヒクヒクと纏わり付く感覚がある。
またゆっくり挿入すると、体がピクッと揺れる。


「気持ちいいの?」


その言葉に真っ赤になり、首を横に振る。
何度も繰り返していると、挿れた時にグプッと音を立てて蜜液が溢れてきだす。


「メチャメチャ濡れてんだけど?」


シーツに垂れる位溢れてきてるのに、違うと頭を横に振る。
これが濡れてんじゃねぇなら、なんなんだよ…。
ああ…そっか。好きでもねぇ男にヤられて濡れるって認めたくねぇんだ。


「エロい体」
「…!!」


柔らかくしなる白い体を折り、結合部が見えるように足を抱え上げ肩に乗せる。


「や、ヤダ!こんなの恥ずかしい!!」


顔を背け見ようとしない覆い隠す手を取り、ヒダが捲れ、ジュップリと肉杭を飲み込んで、繋がった部分を触らせ、白い手に蜜をすくい取らせる。


「見て?オレので埋まってんのに、溢れてるよ」
「…ぃ…や」


目を閉じると、溜まった涙が一気に流れる。
手をベッドに押し付け、徐々に腰を動かすと繋がった部分からグチ、グジュと卑猥な音を立て始め、羞恥にまみれた顔が見まいと必死に抵抗する。


「あ、いや…!!」
「見ろよ」


ギリッと手首に力を入れ、睨みつけ、男に貫かれる女のアンタの姿を視覚にも、聴覚にも、手に入らないアンタの心にも刻み付けてやる!
恨めばいい…それでアンタがオレを忘れないならそれでいい。


「あっ…ああっ!」


激しくピストンを始め、深く挿入する度に蜜液がピチッ、っと四方に飛ぶ。
息が荒くなって、オレのペニスを徐々に絶頂に追い込む程締め付けて、背中まで蜜を垂らしながらも、首を横に振りつづけるアンタが、愛しくて、憎くて堪らない。


「はっ…あっんあっ!!」


この声を他の男になんか聞かせたくない。
グリッ、と奥をついたら肩にかけていた足に力が入る。


「…やめっ!ニーナ!!いやっ!変なの!」
「イッていいよ」


手首に力が入り、イヤイヤ首を振り、ブルブルと体を震わせる。
感じた部分を集中的に強く突き上げてやると、強い内壁の収縮で、オレも限界が込み上げてくる。


「や、やああぁぁあっ!!あ、…はっ…」


アンタが激しく痙攣を起こし、ガクンと意識を手放した時、中で自分の欲望も弾けた。


意識が無くなった体に、飛び散ったさっきまでの情交の後を拭ってやる。
脱がせたバスローブを着せ、自分がつけた首筋の鬱血の跡をそっとなぞる。



汗でベタベタになった体を流そうと、バスルームでシャワーを浴びていると、訳もわからず涙が溢れ出してきた。


「なんで…」


水を頭から浴びながら、自分の目から溢れ出す涙の熱だけが、本当の自分だと俺はまだ気づけずにいた



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