▽ 絆 -kizuna- 07
あれから4日誰もいない家、大学も休みっぱなし、テレビもずっとつけてない
何だかこの世に自分一人みたい
ようやく腫れも引いて、少し赤みがかってる位…
今日は両親が帰って来る日
何で家に居るの?って言われたらどうしよう
そうなったら、コウと別れた事を言わなきゃいけないのかな…
パパは「ほらみろ、所詮その程度のつき合いだ」って怒るかもしれない
夜になって帰って来た両親に、案の定どうしたのって聞かれた
「…うん、あそこ取り壊されちゃうから、帰ってきたの」
「そうだったの〜」
咄嗟に出てしまったのは嘘…
ごめんなさいママ、嘘ついて
「もうずっと家に居ればいい」
パパはニコニコ顔でそう言った
「…うん、だけど一人暮らしもしてみたい、ここからじゃ大学遠いし」
「それはダメだ」
今度はブッスリとした顔に変わり、パパが玄関から荷物を持って、それだけを吐き捨てて、リビングに向かう
ションボリとして、うつむいてたら、ママが心配そうに顔を覗き込んだ
「コウくんと何かあったの?」
「ううん、何でもないよ、旅行楽しかった?」
「久しぶりで楽しかったよ〜!コウくんと、ルカくんにもお土産買ってきちゃった!美奈子2人に渡しといてくれる?」
「…う、うん」
渡す事の出来ないお土産を受け取って、立ちすくんでた
「…美奈子?あら、目が赤いけど、どうしたの?」
「え…?あ、さっきまで寝てたの、ほ、本も読んでたし!寝不足…、だったから…」
「そう…?」
「これ、部屋に置いてくるね!」
「そうね、すぐ降りてらっしゃい」
「うん」
階段を昇って、部屋に戻ってお土産を机に置く
心臓がドキドキしてる
嘘つきたくない…
だけど、本当の事は言えない…
わたしやり過ごせるの…?
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