絆 | ナノ


▽  -kizuna- 04


ルカが出て行った部屋で、起き上がれずにただベッドで横たわっていた
これが…夢ならいいのに…


あんな苦しそうな顔をしたルカをみた事がない、こんな事をされてもルカを憎めない
いっそ憎めるなら楽なのに…
もしこれがコウにバレたならわたしも、ルカもどうなるの?
絶対許してなんかもらえない…
隠さなきゃ…
わたしすごい狡い事考えてる…


体と心がバラバラで自分じゃないみたい
汚れた体は気持ち悪くて、吐き気が止まらない
裏切るつもりなんかなかったのに…
涙が止まらなくてシーツで拭う


「コウの…匂いがする」


鼻を擦り付けると、フワリとコウの匂いがして心を締め付けられる
お願いコウ…今すぐ抱きしめて、好きだって…言って



体を起こすとギシリ、とベッドが軋んで体が震えはじめ、それを抑えるように自分で体を抱きしめる
大丈夫…落ち着かなきゃ…

シーツ替えなきゃ…、シャワー浴びたい…
実家に戻ろう…

洋服を着て、震える手でシーツを剥ぎ取り、新しいものに取り替える
ルカと何かあったなんて絶対気づかれちゃいけない…


…別れなきゃいけない…のかな


別れたちゃったらコウはカッコイイからすぐ彼女が出来ちゃう
きれいで、可愛くて、わたしみたいに狡い事考えない汚れてない女の子…

コウが…わたし以外の女の子を抱くの?
そんなの嫌だ…

涙がこぼれそうになって、天井を見上げる
大きく息を吸い込んで、何にも考えないようにした




荷物を持ってWest Beachを後にする
家に着いてすぐバスルームに行き、ショーツを下ろすと、ツーッ、と太ももを伝いルカの残滓が垂れ体が強張る


慌ててシャワーを浴び、体を洗った
何回洗っても、ルカに奥まで注がれた体液は消えず、半分以上あったボディソープが空になる


今すぐ生理になってしまえばいいのに…
全て中から押し流してくれればいいのに
苦しくて、悲しくて、涙が止まらなくて、シャワーを止めるのも忘れて、声を上げて泣いた




泣き疲れてバスルームを出て、身につけていた着衣とシーツを袋に入れて、グルグル巻きにしてごみ箱に捨てた
汚れた気がして、何度も手を洗う
洗っていると、水の掛かった部分がどんどん侵食されるような気がして、気付いたら腕まで洗っていた…


全然綺麗にならない…


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