絆 | ナノ


▽  -kizuna- ※03


階段を昇ると、レコードの前でどれをかけようかと悩んでる姿があった。


「あ!ルカ!何か聴きたいやつあるの?今日はね〜これにしようと思うんだけど…」


一つだけ選びだし、俺に近づいてくる。
たくさんの中から選び出したそれはコウがお気に入りのやつだった。

何で居ない時までそんなに存在がでかいんだよ。
抑えていた感情が決壊が切れたように溢れだした。


「…ルカ?」


心配そうに覗きこんできた美奈子を衝動的に抱きしめていた。


「ちょ…ルカ…くるし…!!」


俺の体の中でもがく美奈子に口づけると、望んでいた柔らかい感触は思っていた以上に柔らかくて、理性をふっ飛ばすには充分すぎた。嫌がる美奈子の手から、カランカラン、と音を立ててEP盤が落ちる。


「んっ!!んー!!んーーーー!!!」


何も持ってない手に体を押され引きはがされる。


「冗談やめてよ!!」


冗談なんかじゃない。
真っ赤になりながら抗議されても、もうダメなんだ。
お前が欲しくてしょうがない。


「ちょっと!!ヤダ!!ルカ!!離して!!!」


何も言わずに手を掴んで、コウのベッドへ引きずり倒すと、スカートがめくれ白い太ももが露わになる。
俺は何をしようとしてるんだろう…。


「…いった!!」


プルプル頭を振って慌てて捲れたスカートを直す。
直したって無駄なのに…。
その後大きな目がゆっくりベッドに近づく俺をみた。


「ルカ…?」


少しずつ恐怖の色が出だした瞳はとても潤んでいて、俺を興奮させた。ギシリとベッドに手をかけると逃げるように、美奈子はベッドの上へジリジリと後ずさる。
それを追うように、ジリジリ近づいていく。

もう我慢出来ないんだ。
好きなんだ、全て奪ってしまいたいほどに。


「や…だ…止めて…」


何をされるのか気づき始めて、ゆっくりと頭を左右にふる。

止めれるわけないよ…。
ずっと焦がれてたんだ…。
お前に触りたい…もっと深く繋がりたい。


「…ごめんね」


その言葉を聞いて横を通って逃げようとする。
それを阻止して手を引き寄せ腰に手を回す。

逃がさない。


「離して!!」


暴れる顎を持ち上げ無理やり口づけ、顔をそらそうとする後頭部を抑え、唇を奪いつづける。


「んんんっ!!」


何とか離れようと、肩を押され何度も叩かれるそれは抵抗としては無駄な行為ではあるけれど、心はどんどん砕かれていく。


完全な拒絶。


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