▽ 絆 -kizuna- 04
何もする気が起きず、ただずっと眠れずに朝が来た。
親父にキレられるって分かってても、仕事にいく気力もなく、ベッドの横から動けずにいた。
外からSRの排気音がして止まり、しばらくして扉が開く音が聞こえ、螺旋階段を駆け昇ってくる金属音が聞こえた。
階段の方をみやると、息を切らせたルカが目の前に現れた。
「コウ…あの皿何だよ。お前美奈子に…何したんだ…」
「…………別れた…これで、満足か?」
「何したんだ!?」
「お前が望んだんだろうが。良かったなお前の思惑通りだよ」
「ちゃんと答えろよ!!」
「犯した」
「………な…にいっ…て」
「この部屋で泣き喚く美奈子を押さえ付けて犯ったんだよ」
胸倉を掴まれて持ち上げられる。
なんでテメェに、んな事されなきゃいけねーんだ。
ジワジワと抑えていた怒りが戻ってくる。
「何考えてんだよ!!」
「テメェこそ美奈子に何しやがったんだ!!」
胸倉をつかまれてた手を逆に掴み、腹部を蹴りあげ、ルカが小さく呻いた。そのまま殴り掛かると、その手を止められる。
「コウ…俺への当て付けにヤッただろ?マジで壊れてしまえばいいと思ったよ」
「ふっ…ざけんな!!」
止められた手を振り払いルカにつかみ掛かって殴りつける。
それをアイツは避けなくて、拳で唇が切れ、血が滲んでき、床にルカを押し付けた。
「俺が美奈子の事好きだって分かってたんだろ!?何であんな事すんだよ!!俺だってあんな傷つけるような事したくなかった!!止まらなかったんだ!!」
油断した隙に左頬に脳を振られるような鈍い痛みが走る。
ルカがそのまま乗りかかってきて、続けざまに殴られる。
「俺だってお前と浮気したなんて思わなきゃ、あんな酷ぇ事しねぇよ!!相手がお前だから許せねぇって思ったんだよ!!」
あんなに泣いて止めてと叫んでたのに、勝手に浮気したって思い込んで、自分の気が済むまで犯し続けた、それでなくても自分の女犯すなんてありえねぇ…。
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