絆 | ナノ


▽  -kizuna- ※03


部屋について美奈子の方を見ると、不安げな顔をして少し怯えてるいる様に見えた。
そんな不安になる様な何があったんだよ。


「ベッドに座れ」


沸々と湧きあがる怒りを噛み殺し、ちょうど鏡が見える位置に座らせる。


「…なに…?」


『なに?』だぁ?これ以上イライラさせんな。


「コレ…何だよ?」

「え…?」


さっき見つけた情交の後を指摘する。
お前は気づいてねぇのか…?
わざと付けたとしたら、間違いなくオレに当てつけるためだ。
青ざめて、それを隠す様に手で押さえた。
他の男が触れた所なんか触って欲しくない。


「…首にはつけねぇようにしてんだよ。俺じゃねぇなら…誰につけられたんだ?」


それは俺とお前の決まり事だっただろ?
薄着になったら隠せなくなるって…。
わざと目線の高さまで腰を落とし、目をみながらきいた。
頼むから俺に付けられたっていえよ。


「大学にす、きな人が…出来たの…」


嘘つくなよ…。お前が惚れそうな男なんて一人しかいねぇじゃねぇか…。


「…ルカだろ」


答えなくてもビクリとした身体は正直に『そうだ』といってるようなもんだ。
よりにもよって俺の弟と浮気かよ。
1番タチが悪ぃ。


「…マジかよ」


頭の中がグルグルする。
ルカが好きなら、初めからそういえばいい。
俺なんかフっちまえば良かったんだ。
でも今お前は俺の女なんだ。
お前が選んだんだ。
ルカだろうと、他の男だろうと、手放すつもりなんかサラサラない。


「…脱げよ、他はどこにつけられてるか調べてやるよ」


こんなに苦しいのに、もしかしたらと淡い期待がよぎって仕方ない。
暴けば暴くほど、裏切りの証拠として全部残っていくかもしれねぇのに。
追いつめられた獲物の様に怯えた美奈子をみても止められない。


「…え…?」

「…一人でできねぇなら手伝ってやろうか?」


胸をかきむしりたいくらいジクジクと奥がうずく。
さっき俺を好きだといったのは嘘なのか?
離れてしまえば楽になれるのか?
けど離れてお前が他の男に触られるなんて気が狂いそうだ。
思い返しては悩み、怒り、訳がわからなくなってくる。
湧きあがる怒りを抑えるために深く息を吐く。
何でお前はなんもいい訳もしねぇんだ。
本当にルカとヤったのか?

じっとみつめると、ビクリと身体を震わせた。
そんなに俺が怖えぇかよ…。
ゆらりと近づくと震えてるのがわかる。片手で洋服を脱がしていく。


「…や…め」

「ルカにはやらせたんだろ?」


無抵抗な体から、服をはぎ取ってベッドに押し倒し、確認するように痕を追っていく。
見事に俺の痕を消す様に同じ場所へ重なる様に付けている。
あの野郎…。
堪え切れない怒りが湧いてきた。
俺が拓かせた体をルカにも開いたのか?


「い…いや!!」


嫌がられれば嫌がられるほど、何があったのかなんて聞かずとも分かる。
いつもなら、キスだけで潤む場所に急く様に中指を強引に中につっこんだ。


「ひっ!!」


やっぱりな…。
濡れてるわけじゃねぇ…。
粘度の低い液体が体液と混じり合い溢れてきた風呂に入ったのは証拠を消す為かよ。
で、消しきれ無かったって訳か…。
ふざけんな…。
しかも何で中出しさせてんだよ。
シーツを替えたのは、この部屋でルカに抱かれたからだったんだな…。
お前の様子がおかしかったのも、何もかもが全ての点が線で繋がった…。


「バレなきゃ何してもいいのかよ」


全て間違いであって欲しかった。
せめてこれさえなければ気のせいだったと思い込めたし、許せたかもしれねぇ。
美奈子が何か喋ろうとした時俺は抑えていた感情が暴発した。
二度と間違いをおかさねぇように体に覚えさせてやる。


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