絆 | ナノ


▽  -kizuna- 06


3時間程度の短めのバイトを終え、ハロゲンで品出ししてたニーナと目があって、満面の笑顔で手を振った


「マジで来た」

「来るって言ったじゃん」

「あとちょっとで終わりッスから、待っててくれます?」

「いいよ?お弁当の為なら、どれだけでも待つよ?」

「どんだけ腹減ってんスか」


ニッコリと微笑んで、ニーナのバイトが終わるのを、近くの公園で待ってた
公園のベンチに座って、クルッと辺りを見渡して、蛍光色のボールを見つける
壁に向かって、ポンと投げて、キャッチして、無機質な壁とキャッチボールを続ける

ちっちゃい頃は、コウと色んな遊びしてたな
美奈子が来ると、かくれんぼばっかりだったけど
あん時は、一人になるのが凄く怖かった

美奈子ともバラバラに隠れないで、2人で隠れてたりしてた
鬼に見つかると終わりなのに、見つけてもらうと2人でホッとしたんだ…

ああ…そっか、美奈子ってばあの頃からコウを好きだったんだ…

壁から返ってきたボールをキャッチし損ねて、取りに行くのも面倒で、コロコロ転がってくボールの行方を見てた


「何やってんスか」

「お疲れ」

「うっす」


バイトが終わって公園に来たニーナが、足に転がってきたボールを、ヒョイッと拾って俺に投げた
慌てて投げ返されたボールをキャッチして、嘘臭い程の蛍光色のボールを眺めた
ちゃんと戻ってきた


「…喉、渇いたな」

「ちゃんと、飲みもんも買ってきましたよ」

「ニーナって気が利くね」

「でしょ?」


ガサッと渡された袋を開けるとお弁当が2つ


「2個入ってる」

「1個は琥一さんの分」

「コウのはいらないよ、ニーナここで一緒に食べる?」

「なら食います。まさか〜琥一さん今日デートとか〜?」

「ま、そんな感じ」

「はぁ…、羨ましい」


コウのだったお弁当をニーナに渡して、二人で夜の公園でコンビニ弁当開いた
一人だとちょっと寂しかったから、この人懐っこい後輩が今は凄くありがたかった


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