絆 | ナノ


▽  -kizuna- 06


コウとデートの帰り、ルカと鉢合わせした
その後ルカにコウが好きだって報告した
ニッコリ笑って、応援するって言ってくれた


どんな気持ちでその言葉を言ったんだろう…


それから何度もルカにコウの事を相談した
コウの事を1番知ってるのはルカだったから


知りたかった


自分が知らないコウを、何でもいいから本当に知りたかったの
大好き過ぎて涙が出る位コウが好きだった


3人で過ごしたクリスマス、送ってくれたコウに抱きしめられた
何度も告白しようと思った
けど、そんな勇気もなくて、その度にルカは励ましてくれた


『フラれたら俺とつき合おうよ、フラれる事ないと思うけど』


そう冗談めかして言った言葉は、本気だったんだよね?
そんなわたしの為に、ルカは自分を押し殺して、わたしを応援してくれてたんだよね


ごめんなさい…
気づけなくて本当にごめんなさい…


ベッドから体を起こすと、あてていたアイスノンがポン、と膝の上に落ちた
左手の薬指から、指輪をはずす
ずっとはめてたから、指元は少し細くなり、コウの指輪専用みたいになってた


ベッドから降りて、ギシリと痛む体でジュエリーBOXを開く
2段になってる内箱を外して机の上に置いた

小さな指輪サイズのフェルトの巾着袋に入れて、アルバムの中から、唯一二人で写ってる写真を取り出す
修学旅行の時に撮ってもらった、眉間にシワを寄せたコウの写真

写真嫌いなコウとの2ショットはこれだけ


「コウってば凄い顔」


楽しかったな…修学旅行…
大迫先生が来て、慌てて押し入れに隠れたら、コウも隠れてて、ドキドキしたっけ…
ぽた、と涙が写真に落ちて、慌てて涙を拭うと写真がベタついた


悲しくて、それ以上思い出したくなくて、指輪と写真をジュエリーBOXの奥に大きな恋心と一緒に閉じ込めた




もう二度と、自分を見失うほど好きになる人なんていない


わたしの心はもうカケラも残ってない…
全部…コウにあげちゃったから




ねぇ、神様…
もう二度とコウ以外の人を好きになんてならないから、コウとルカを幸せにしてあげて下さい…




To be continued…


3/3

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