▽ 絆 -kizuna- ※05
時間の感覚がわからない部屋で、抵抗する力もなくただ、乱暴されつづけた
ようやく体を解放され、階段を降りていく音が聞こえた
泣きすぎて目も痛くて霞みがかり、月明かりだけの部屋ではよくみえない
体を起こそうとすると、全身に痛みが走り、動けなくて目を閉じていた
しばらくするとガシャンと激しい何かが割れる音がして、体がビクッと震えた、立て続けに鈍い何かを叩きつけるような音がした
カンカンと階段を昇る音がする…
恐怖で頭が混乱してくる
振り返ったらあの時ルカが居て…
無理矢理キスされて、ベッドに追い詰められた
ギシリとベッドに乗られて…
暗闇の中で手が触れた、足を開かされてビクッとした、すぐに下腹部に圧迫感があり、グチュグチュとそれの抜き差しされる音がした
上下に揺らされ、ギシギシと軋む音がすると、涙が溢れてくる
信じてた…
ルカはこんな事する様な人じゃない
わたしが何もかもおかしくさせた…
コウは助けに来てくれないの?
わたしは何をされてるの…?
「…コウ…助けて…こわ…い…」
ギシギシと音を立てながら、ただ揺さぶられて、コウの事ばかりが頭を過ぎる
初めて心から好きな人が出来た
つき合えた事が嬉しくて、一緒にいれるのが嬉しくて、知らなかったコウの事が増えてって、もっとたくさん知りたくなった
コウの事しか頭になくて、周りなんか見えなかった
自分が悪かったのはわかってる…
でも…
こんなのは怖い…
いつまで耐えればコウは来てくれるの…?
「た…すけ…て…コウ…」
「…おい?」
コウの声…
やっぱりバカだ…わたし…
都合のいいように塗り替えようとしてた
今、わたしを抱いてるのはコウだ…
あんなに優しかったコウにこんな事させる位酷い事したんだ
そしてまた…ルカを…悪者にした
コウの温かい手が、頬の涙の跡を拭い、髪をかきあげた
お願い…もう優しくしないで
勘違いしてしまうから…
目を閉じると意識が遠退いていった
わたしなんか…
消えてしまえばいい…
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