絆 | ナノ


▽  -kizuna- 02


椅子からトンッと飛び降りて、キッチンでホットケーキの材料を出す
週末に3人で買い出しに行く為に、開けたついでに冷蔵庫の足りない食材をチェックする

今日コウって帰って来るの早いのかな…


「コウのも一緒に作っとこうかな」


また昨日の事を思い出し、顔が熱くなって早く会いたいなって思ってしまう


「どうせ今日も遅いだろ?」

「そうだよね…」


最近コウは実家の仕事が忙しくて、本当に中々早く帰って来ない
ルカもバイト三昧でこんな早い時間にいるのも珍しい
大学落ち着いてきたし、バイトとかしてたら気が紛れるのかもしれない

気持ちを切り替えて、今はルカの為においしいホットケーキ作ってあげよう

テフロン加工のフライパンを出し、生地を流し込んでいると、突然目の前のルカの注文


「ちゃんと分厚くしてよ」

「任せて!」


リクエストに応えられるよう頑張らなきゃ
目の前のホットケーキに目を落とした
ルカのホットケーキ好きのおかげで、色々試してる内に、キレイにふっくらと焼けるようになってきた

ルカはほっといたら、ご飯も食べずにホットケーキばっかり食べてる
この前サラダ作ったのに
『ホットケーキがいい』
ってわがまま言うから
『少し太ったみたいよ?』
って言ってみたら、大人しくサラダ食べてた

何だかおっきい子供みたいでカワイイっていったら怒るかな?


ホットケーキの甘い匂いが漂ってきて、蓋を開けるとキレイに焼けている
ちょっと裏を確認して、それをお皿にのせた
四角いバターを一つ乗せて、タップリのメイプルシロップをトロリとかける
今日はノーマルホットケーキ!


うん!キレイに出来たかも!




「ルカできたよ〜」

目の前で雑誌を読んでるルカに声をかける
全く反応がない…
開いた雑誌から目を離す気配もなく、黙々と雑誌を読んでいる


「ルカ〜?」


せっかく作ったホットケーキが冷めてしまう
仕方ないから、少し大きめの声で呼んでみた


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