絆 | ナノ

▽  -kizuna- 02


今日もコウは遅いのかな…
大学からの帰り道、一人で昨日の事を思い出して恥ずかしくなって、フルフルと頭を振る

はぁ…どうしよう…
わたしいっつもコウの事ばっかり考えちゃうな
コウと一緒に暮らすって初めはパパが猛反対で、ママが毎年遊びに来るコウもルカも気に入ってて、味方になってくれたから今の生活がある
最後にパパが結婚するまでは、「娘に手を出すな」っていってたのに、残念ながらその約束は守りきれなかった
だけど、大好きな人と結ばれたいと思ったから後悔は全くない

目の前にWest Beachがみえてきて、少し早足になる
今日は大学が早めに終わったから、帰って2人の為に美味しい料理を作ろう!



ギイッ



むせ返るような潮風を浴びながら、錆びたアルミの扉を開くと、いつもこの時間帯にはバイトに明け暮れてるルカがいた


「あれ?ルカ帰ってたの?」

「早かったね?」

「うん、今日は午後1つしか講義なかったから」


何だかいつもより元気がなくみえるルカの顔をカウンターの椅子に座って覗き込んでみると、綺麗な整った顔に眉間のシワが入ってた


「なに?」


せっかく綺麗な顔なのに、こんなトコにシワ入ってたらもったいないなーって思ってたら、こっちをみて、不思議そうな顔をするルカの眉間をギュッ、って押しちゃってた


「しかめっ面…何かあったの?」


ルカはたまに一人で考え込んだりする
コウは『ほっとけ』っていうけど、ルカにはコウの事でたくさん相談乗ってもらったし、今度はわたしが何でも相談乗ってあげたいのに

一緒に暮らすようになって、悪態ばっかり言い合う二人をみて、何で仲良く出来ないんだろうと思ってたけど、それが2人のコミュニケーションで、足りない分を埋め合うような、素敵な関係だって気づいた
だからきっとコウのいう通りほっとかなくちゃいけないんだろうな

わたしも早く仲間になりたいのにな…


「…お腹減った…」


え?お腹空いただけなの?
一瞬耳を疑ってしまう発言に、ルカらしいと思い直す
心配して損した!笑いが込み上げてくる


「ふふっ!ルカ子供みたい!!ホットケーキ作ってあげるから機嫌直して?」


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