▽ 絆 -kizuna- 04
荷物を取りにWest Beachに来ると外にコウの車が止まってた。
この時間誰もいない時間だろ?
ひとしきり悩んで、居ない事を祈りながら、アルミの扉を開くと、目の前に自分が食べ残したホットケーキの残骸が落ちていた。
割れた皿に近づき思考を巡らせる。
美奈子の姿はない…。
もしいたらコレを片付けないハズがない。
俺がした事で美奈子にコウが手をあげるハズもない。
じゃあ…何で割られた?
まさか美奈子が俺にヤラれたって事を正直に話さなかった?
そうだとすれば、俺がつけた痕みて勘違いしたコウが美奈子にキレたのか?
そんなのあんまりだ…。
美奈子は何も悪くなのに。
螺旋階段を一気にコウの部屋まで駆け昇ると、生気が抜けたように、乱れたベッドの横に座るコウがいた。
やっぱり…何かあった。
「コウ…あの皿何だよ。お前美奈子に…何したんだ…」
「…………別れた…これで、満足か?」
別れたってどうゆう事だよ…。
満足ってなんだよ?
コウは俺がした事気づいてて、美奈子が許せなかったのか?
「何したんだ!?」
「お前が望んだんだろうが。良かったなお前の思惑通りだよ」
確かに壊れればいいと思った…。
美奈子がお前に捨てられたなら、俺のモノになるかもしれないって。
けど美奈子は俺に抱かれながら、お前をずっと呼んでたんだ。
俺じゃ絶対ダメで、求めてたのはコウだけだった。
わかってたハズなのに。
もう二度とあんな苦しい、悲しそうな顔なんてみたくない。
「ちゃんと答えろよ!!」
「犯した」
「………な…にいっ…て」
「この部屋で泣き喚く美奈子を押さえ付けて犯ったんだよ」
どうしてそんな事するんだ…。
そんな事しなくても、触れられる立場にいるのに。
怒りが込み上げてきて、コウに掴み掛かる。
「何考えてんだよ!!」
「テメェこそ美奈子に何しやがったんだ!!」
睨みつけられて、コウの顔に怒りが滲み出してきた。
2/5
[
← |
back |
→ ]