絆 | ナノ


▽  -kizuna- ※03


どれだけの時間がたったんだろう。
時間の感覚もわからない。目だけが慣れた月明かりだけのほの暗い部屋の中で、ただひたすら犯し続けた。
喉が渇いて螺旋階段を下り、冷蔵庫からミネラルウォータを出し流し飲む。

食べ残しのホットケーキをみると、またこみ上げてくる怒りに襲われ皿を手で払う。
ガシャンと激しい音を立て、無残に床に叩き付けられたそれは原形を失う。
握りしめたペットボトルを投げつけると、鈍い音を響かせて、床に落ちゴロゴロと転がり、トクトクと床を濡らしていった。


部屋に戻り、怒りは欲情に変わる。


グッタリとした体に鞭を打つように身体をひらかせると、ビクッと体を震わせる。
構わずヌチュリと傷ついた肉裂にペニスを挿入した。
大人しく俺の下で肉杭をのみこみ揺らされる度に、焦点の合わない目からハラハラと涙を流している。


「…コウ…助けて…こわ…い…」


突き上げられながら、意識がとんでいるのかポツリポツリ何かを喋っている。
名前を呼ばれた気がして、口許をみる。
ギシギシと音を立てるベッドの音がする度に、涙がまた虚ろな眼からこぼれおちてくる。


「た…すけ…て…コウ…」



助けて…?



どうして凌辱している相手に助けを求めるのか解らない。
この行為が始まって俺の名前を一度も呼ばなかった。
呼ばれたことで理性が戻ってくる。
その声に中に埋まっていたモノを引き抜いた。


「…おい?」


助けてってなんだよ?
うわごとのように何度も助けてを繰り返す。
嫌な感じがする…。
ゆっくり頬撫で、涙を拭い、汗で張り付いた髪をかきあげてやると、美奈子が意識を手放した。
俺は大きな勘違いをしてるんじゃないのか?



ルカに…何された…?



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