絆 | ナノ


▽  -kizuna- 02


顔が熱い……。


それにしてもルカが居なくてよかった。アイツ居たら絶対バカ笑いする。
俺もルカみたいにもう少し美奈子に優しく出来りゃ…。
ふと考えてみると、なんでこんな俺と付き合ってんだ?

急に心がザワザワしだす。
ルカは美奈子の事が好きだ…。
最近3人で暮らす様になって気付いた…。ずっとみてりゃわかる。
オレと同じ意味で好きなんだ。

もしルカが本気になったら、俺は勝てる気がしねぇ…。

でも絶対に渡さない…。


「なに考えてんだ俺…ありえねぇよ」


また少し不安になって、自分に言い聞かせる。
帰ってくるまで待てそうにない。
俺は車のキーを取り、実家まで迎えに行く事にした。




美奈子の実家につき、エンジンを止める。
もし親出てきたら何て言やいいんだよ…。
一応一緒に住むって決まった時に挨拶きたものの、それ以来きてねぇし『ごぶさたしてます』か?

やべぇ気まずい…。
しかも結婚するまで手ぇ出すな、っていわれたのにヤッちまったし…。

ゴチャゴチャと考えながらチャイムを押そうと手を伸ばしたとこで、急にドアが開いた。


「うわっ!何だよ急に出てくんじゃねぇよ!」


けどまぁ親じゃなくて良かった。
うっかり親父なんか出てきて、問い詰められたらゲロして、ボコボコにされそうだ。
俺を見上げ、優しく笑う姿に目を細める。
良かった…元気じゃねぇか。


「お前様子変だったから、その…心配で…迎えに」


うわ、よく考えると不安で、心配で、会いてぇから迎えに来たなんて、俺ガキみたいでカッコ悪くねぇか?


「…ありがとう」

「帰るぞ」


さっさと車へ促す。
暗くて良かった。こんな顔みられたら恥ずかしくて、どうしていいかわからない。

West Beachへ戻る車中いつもよく喋る美奈子が何故か口数が少なくて外ばっかり見てた。
窓に映るお前の顔が少し淋しそうに見えるのは何でなんだ?
聞けばいいのに、どうしてそれさえも俺は聞けねぇんだろう。
聞けないままWest Beachに到着した。



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