絆 | ナノ


▽  -kizuna- 11


サークル帰りに帰り支度をしてると莉子ちゃんが小走りでわたしのところに神妙な顔をして小走りで寄ってきた。


「美奈子ちゃん...少し時間いい?」

「ちょっとなら大丈夫だよ?どうしたの?」


バイトまで少し時間もあるし、なんだか思い詰めた風で心配になってお誘いを受ける事にした。カフェテリアを提案したけどあまり聞かれたくない話みたいで、アナスタシアの近くでお茶をする事になった。


「ねぇ、美奈子ちゃん…、周防先輩って遊んでると思う?」

「さっきのやり取り?」

「うん…」


注文したアイスミルクティに口をつけず莉子ちゃんは視線を落としたまま頷いた。


「見た目とか言動とかでそう思われがちだけど、そうじゃない人もいるよ?」


ニーナとかそんな感じだったし。
周防先輩が女の子と遊んでるっていっても実際見たわけじゃないし…。遊んでても本当にニーナみたいに男女分け隔てなくただ遊んでるだけかも知れないし…。
うーん…。
周防先輩は友達も多そうだし、モテそうだけど、女の子を弄びそうな感じには見えないんだけどなぁ。


「ねぇねぇ!美奈子ちゃん!お願い!」

「お願い?」


1人でアレコレ考えを巡らせてると莉子ちゃんが机に乗りだしてわたしの両手を握った。
勢いにおされ、びっくりして少し仰け反る。


「紺野先輩から探りを入れてくれない!?」

「ええ!?」

「だぁって〜!周防先輩、大体紺野先輩と一緒だから紺野先輩なら本当の事知ってると思うの!!」

「で、でも…!」

「お願いお願い!!」


真剣な顔をして必死にお願いされたら断る言葉が見つからない。というか了承するまで離してもらえなさそうで頭を縦に振るしか無かった。


「わ、わかった!きいてみる…!」

「ありがと〜!美奈子ちゃん大好き!」


握られた両手をぎゅっと握られて満面な笑顔を見せる莉子ちゃんに微笑み返す。
引き受けたのはいいけどどうやって聞き出したらいいんだろう。


2/5

[ | back | ]

QLOOKアクセス解析
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -