絆 | ナノ


▽  -kizuna- 09


しばらく沈黙が流れた後カレンが口を開いた。


「無理矢理忘れる必要はないんじゃない?そんなすぐ忘れられるわけないんだし。胸のどこかにいつか自然にしまえればいいの。あー!いたなー!あんな奴ってなるまでさ」

「え…?」

「だから今はいいの。それで」


カレンのその言葉はわたしにとってとてもありがたかった。


「………そっか。うん、そうだよね」


いますぐなんて本当は忘れる事なんて出来ない。
コウが本当に好きで、好きでどうしようもなかった。
それは今も。すぐに気持ちは消せない…。

いつか…、胸にしまえるまではコウを想ってる事は許されるかな…?
誰かを好きになる事はもう2度とないけど、しっかり地面に足をつけて前はちゃんと向くから。


「ねぇ、バンビ。今度からこういう大事な事は黙ってるのはナシ!アタシは何があってもバンビの味方なんだから」

「あ、りがとう…。ごめんなさい…」


嘘ついてごめんね。カレン。


「コーイチくんもバカだよ。1回の浮気くらいなんなのよ!ほったらかす奴が悪いの!これだからダメなのよ釣った魚に餌をやらない男って」

「優しかったよ?」

「はぁ〜!心の狭いバカヤンキー庇うなんてやっぱりバンビは優しい!あれ?って事は〜?バンビはフリーだからアタシのお嫁さんに出来るのね?」

「あははっ!カレンまたソレ!」


カレンはニヤッと笑って、『本気よ〜?』なんて言いながらわたしをギュッと抱きしめてくれた。
冗談で締めくくってわたしを笑わせてくれる。
なにがあっても味方でいてくれるカレンもミヨも心から大切だと思った。
まだまだ色々吹っ切れないけれど、カレンがたくさんの元気をわけてくれたからまた少し前を向けた気がした。


まだ大学生活も始まったばっかりだし、少しは違う事に目を向けてみよう。
サークルとか今更だけど探してみよう。
恋だけが全てじゃないから。



頑張れ…わたし!




To be continued…


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