series | ナノ

▽ いつもの風景


俺の彼女が風邪引いた。


「おまえ何日目だよ」

「うーん4日目?5日目?」

「体の鍛えかた足りねーから風邪なんか引くんだろ?俺もうここ何年も風邪引いてないぞ」

「わたし普通なんですー!嵐くんと一緒にしないでよ」

「何だその言い方、人を普通じゃないみたいな言い方すんな」

「…普通じゃないもん」

「何か言ったか?」

「ううん、言ってない」

「そうか」


美奈子が熱を出してわかった事。だんだん家がヤバくなってきた。
俺、家事出来ねーし、フラフラしてたはずなのに、それでも俺が出掛けてる間に洗濯したり無理してた。
本当は熱下がんねーのもそのせいかもってちょっとだけ思ってきた。


「今日、俺が飯作ってやる」

「え!?」


ビックリした顔した美奈子が俺をみた。
なんでそんなにビックリした顔すんだ?


「い、いいよ、ご飯わたし作るし!」

「おまえチョロチョロ動くからいつまでも熱下がんねーんだよ。ゆっくり寝てろ」

「う、うん、ありがとう…困ったらすぐ呼んでね?」

「大丈夫だ」


不安そうな顔をして俺をキッチンに送り出す。
何だよその顔、飯位余裕で作れる…と思う。
キッチンに入ってまず思った事。
何から始めればいいんだ?
米?米を炊けばいいのか?
…どれ位?


「いつも3合炊いてるよー!」


隣の部屋からキッチンに声をかけられた。


「わかってるから大人しくしてろよな」


美奈子は何で俺の考えてる事わかんだろう?
米が入ってる箱?開けて入ってたカップに3杯か?多分…。
米をとぎはじめて米はポロポロ落ちてるし、水はいつまでもキレイになんねーし、何だコレ?いっぱい落ちたし、半分位米足したらまた水が濁った…。
何とか炊飯器に入れたけど、水ってちゃんと合ってんのか?3のトコあわせたけど、おかずって何作ればいいんだ?
悩んでると美奈子がキッチンに入ってきた。


「おかず作るよ」

「俺が作る」

「…何を?」

「…わかんねぇ」


美奈子が笑い出して冷凍庫から、作り置きして冷凍しといたって言うカレーを出した
温めるだけだからお願いって渡された。


「おまえカレー食えんのか?」

「うん、もう喉も痛くないし、熱があるだけだから平気」

「そっか」


今更ながらよく気がきく女だよな…。
視線を感じて振り向くと美奈子が心配そうにこっちを覗いてた。


「大人しく寝てろって」

「だって〜!」

「いいから」

「ひゃっ!」


部屋に戻って美奈子を抱き上げてベッドに戻す。
そうやってチョロチョロしてっからきっと治んねぇんだ。


「わかったな?」

「…はい」

「よし」


モゾモゾと布団に潜り込んで、俺の顔をジッとみるおまえの頬っぺたにキスをした。
そしたらおまえが恥ずかしそうに笑う。
それは間違いだな。
変なスイッチ入りそうになった。危ねー。

飯が炊けるまで時間もあるし、ちょっと変な事考え始めた頭を冷やす為に風呂に入る事にした。


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