series | ナノ

▽ 琥一


美奈子と初詣に行きたくて、メール送ったら簡単に誘えた
無論お邪魔虫なルカには言ってねぇ

…なのに何でルカがここにいんだよ?
なんだそりゃ?突撃訪問か?
ありえねぇだろ!俺がもう約束してんだよ


「何でコウ…ここにいんの?約束あるって言ってなかったっけ?」

「お前こそ今日約束あっから、出掛けるって言ってなかったか?」

「だから約束果たしにここへ」

「はぁ?」


呼び鈴も押してねぇのに、扉が開いてお前が出てきた


「やっぱりー!声がしたから、2人かなって思って出てきちゃった!」

「おまたせ」
「おう」


マジか!!やべぇな晴れ着
いつもと雰囲気違って、ちっと変な気持ちになんじゃねぇか
だってよ、着物とかってほらあれだ
下着着けてねぇとかいうし
…脱がせてぇ…着せらんねぇけど
着付けしてくれるトコなんていっぱいあるし、んな事心配いらねぇな
なら、完全に邪魔だルカ


「じゃ、コウ帰れよ」

「お前が帰れよ」

「え?3人で初詣でしょ?」

「俺が先だよね?」

「はぁ?俺だろ?」


ルカが睨みつけてきて、ガン飛ばして、美奈子を同時に二人で見る
小首を傾げるとか、お前かわいすぎんだろ
ルカいねぇなら、とっくに抱きしめてんぞ


「どっちが先?」


パコ、と携帯を開けてメールを確認して、こっちに画面を向ける


「え…、と、あっ、コウくんが1分早い!」

「ええー!ちょっとみせてよ!」

「なら、帰れルカ」


ほらみろ!俺が先じゃねぇか
ルカが美奈子の携帯を奪って、食い入るように見つめた


「俺の方が愛に溢れたメールだから、1分遅くなったんだ!コウの負け!コウが帰れよ」


バンと携帯突き出して、そこに書かれたメールの内容は
『初詣一緒に行こう!美奈子のかわいい晴れ着姿が早くみたいから、朝から迎えに行くよ!ジュリエット』
頭に虫沸いてんじゃねぇのか!?
なぁーにがジュリエットだ!
どこが愛に溢れてんだ!


「はぁ?フザけんな!」

「早く行こう?2人とも!」


俺らの両腕に絡み付くお前
だーっ!俺にだけでいいだろうが!


「そろそろどっちか選んでよ」

「俺だろ」

「なんの事?」


コイツ…どうやったら、気づくんだよ
バチバチ火花を散らして、ルカと睨み合う


「2人とも顔怖いよ?」

「ねぇ、美奈子、俺とコウどっちが好き?俺だと飴ちゃんつけたげる」

「はぁ?なんだそりゃ」


小首を傾げた美奈子はフンワリ笑って、相変わらずの天然発言


「二人とも大好きだよ」


またそれかよ…
本当は気持ち気づいてて、んな事言ってんじゃねぇだろうな?


「うっ…」
「あぁ…」

「早く行こう!人増えちゃうよ!」


ガックリ肩を落として、平等に絡み付いた細い腕
いつかは『俺だけの女になります様に』って年に一度の神頼みかよ


もういっそヤッちまうか…?


end


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