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▽ 男より男前なライバル


一緒に帰ろうと美奈子を探して校内をまわり、たどり着いた昇降口
前方に見えたのは好きな女と、しらねぇ男
構わず美奈子に近づいていく
声が聞こえるとこまで来て気づいた
これ告白じゃねぇのか?



「つき合って欲しいんだけど」



やっぱな…
俺の気配に気づいた男が俺の方をみる


「あ、やっぱりいいです!」

「え?」


おもクソ睨んでやったら、ビビって慌てて逃げてった
気安く声かけてんじゃねぇよ、ザコが
取り残された美奈子が後ろを振り向いた


「…やっぱり、コウくん何かしたでしょ?」

「…何もしてねぇよ」

「どうみても怯えて逃げてったじゃない!」

「おまえの顔が怖かったんじゃねぇ?」

「ひ、ひどい!何それー!」


ちっこい体でムキになって、怒る顔が妙にかわいくて、からかいたくなってきた


「ほら、その顔にビビったんだろ?」

「ひどい、ひどいっ!コウくんのバカ!」

「ちょっと…、何バンビいじめてんの?バカヤンキー」

「あぁ?」


上を見上げると階段に肘をついて、俺を睨む花椿がいた
こいつ美奈子にベタベタして、面倒くせぇんだよな…


「カレン!」

「おいで、バンビ!」

「待てよ、帰んぞ」

「もうコウくんとは一緒に帰らないもん」

「はぁ?」


俺を睨んで美奈子が階段を駆け登り、花椿の所まで走って腕を組んだ
ちょっと待てよ…
んな怒る事じゃねぇだろ?


「頭冷やしな、バカヤンキー」

「んだと?コラァ!!」


美奈子がベーッ、と俺に舌を出して、花椿をみて楽しそうに笑いながら、校内に消えていった
何なんだよあの女…
男だったらとっくに殴ってんぞ
美奈子も美奈子なんだよ俺にベタベタするかと思いきや、他の奴にもベタベタしやがって
女同士で何なんだアイツら

一緒に帰る相手を失った俺はその日は一人で家に帰って、次の日思ったより状況悪化してんなんて考えもしなかった


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