昼休み前毎日俺とコウにお弁当作ってくれる美奈子を捜索中
いつもなら教室にいるハズなのに、授業が終わってフラッと姿を消した

お腹も空いたし早く見つけなきゃ



「つき合って欲しいんだけど」



昇降口を降りてたら、下から聞こえる声
覗き込んでみると、告白されてるのは美奈子
本当にモテるよな…
でもダメだよ
美奈子は俺が狙ってんの


「あの…わたし…」


返事なんかさせない
そのまま階段の横の壁を越えて、トォッ！と心の中で叫んでヒーローっぽく登場
ま、実際ただ飛び降りて、美奈子の横に着地しただけ


「る、ルカくん！？どっから来たの」

「ヒーローは突然現れるもんでしょ？」

「桜井弟…」

「美奈子！お腹すいちゃった」


美奈子に後ろから抱きついて男にガンを飛ばす


「ひゃぁあ！る、ルカくん！？」

「桜井弟とつき合ってるの？」

「俺の為に毎日お弁当作ってくれてるの」


まぁ、俺だけにじゃないけどさ


「あ…うん、じゃあいいや」

「え、あ、ご、ごめんなさい！」


はい排除完了
気安く美奈子には近寄らせない
美奈子が困った顔で俺をみて、抱きついてた腕からスルリと抜けた


「…どうして、急に抱きついたりするの？」

「お腹空いたから、早く済まないかなって思って」

「その為だけに抱きついたの？」


あれ？複雑そうな顔
俺に抱きつかれたりしたらイヤ？
やっぱ好きとか思ってもらえてないのかな？
結構抱きついたりするけど、美奈子の気持ちがわかんないから、おせないんだよなー

まぁ…今日抱きついたのも軽い下心もあったし、美奈子乱暴なの嫌いだし？
さっきの男が、俺の彼女って思ってくれた方が、手っ取り早いかなぁなんて思ったんだけど


「琉夏くん！」

「ん？」


上を見上げると違うクラスの女の子達が俺を呼んでる
美奈子を探してる時に声かけてきた子達
振り切ったって思ったのにな


「お腹空いてるってさっき言ってなかった？」

「言ってたね」


下に何人か降りてきて、ハイッて出されたかわいい包みを条件反射で受け取って首を傾げる
何だコレ？


「何これ？」

「お弁当！」

「そうなの？」


女の子達にニッコリ笑って横を見ると、美奈子が俺をジーッとみててプイッと向こうに走って行った
あ、ヤバいこれ追いかけないと…


「一緒に食べない？」


うわっ…こんな事してる場合じゃないんだよね
多分？間違いなく美奈子、ヤキモチでしょ
嬉しい！すっごく嬉しい！
もう目の前の女の子達がどうでもよくて、早く切り上げたかった


「ごめんね？俺好きな子のお弁当しか食べないんだ」

「さっきの子？」

「うん、そう、絶賛片思い中。ごめんね」

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