▽ 知らない気持ち
遅い!
もう部活始まってるのにまだ来ない
マネージャーなら、部員が揃う前に色々準備すんのが仕事だろ?
何やってんだアイツは!
壁に寄り掛かり、部員を指導しながら、何度も入口をみても全く来る気配がない
「嵐さーん、なーにイライラしてんスか?」
「遅い!」
「はぁ?」
タオルで汗を拭きながら、俺の隣でスポーツドリンクを喉に流し込みながら、意味ありげにニヤニヤしながら俺を見た
「あらーしさん、マネージャー居なくて寂しいんだ〜!」
「俺は時間が守れない奴が嫌いなんだ!」
「マネージャーなら、昇降口んとこでみたッスよ」
新名を横目にみて、部員を見てても気が散ってしょうがない
「ちょっと行ってくる…」
「へぇ〜」
ニヤニヤしながら、俺を送り出す新名に少しムカついて、聞いた昇降口にイライラしながら早足で向かい、目の前にお前の姿が目に入り、声をかけようとした所で、誰かと一緒にいるのに気づき思わず建物の陰に隠れる
「付き合って欲しいんだけど」
男の声がして、お前にそう告げた
それってどういう事だ?
付き合うって、何するんだ?
手繋いだり、腕組んだり、常にソイツがお前の隣にいるって事だよな?
あれ…?
すっげームカつく
お前は俺の隣にいて当たり前だろ?
何やってんだよ
物陰から出てって男を睨む
「おい…ソレ俺のモンなんだけど」
「不二山!?」
「嵐くん!!」
何か体が勝手に動いてて、手を掴んでお前を引っ張ってた
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