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▽ いつか、君と


これは一体どうゆう状況なんだろう。
いわゆる酔っ払いと言うやつなんだろうか?
あれだけのアルコールで酔っ払うものだろうか?僕が量を間違えた?アルコールが飛んでない?

「美奈子さん大丈夫?」
「だいじょうぶれす。あついだけれす…」

目がとろんとして言葉も呂律が回ってない。明らかに大丈夫には見えないんだけど。

「少し横になろうか。その前に水分補給した方がいいね。持ってくるから待ってて」

キッチンで冷たい水を注ぎ部屋に戻ると美奈子さんがパジャマの上を脱ごうとして目が丸くなる。

「美奈子さん!?ちょっと待って!!暑いのは分かるけど脱いじゃダメだよ!」

慌てて美奈子さんのパジャマの着せ直すと美奈子さんは僕に抱きついた。柔らかい美奈子さんの香りが鼻腔をくすぐった。

「あ、あの僕は…どうしたら…」

どこを触ったらいいのか分からず彷徨う両手が我ながらなんとも情けない。

「だっこ…」
「え?」
「べっど…」
「あ、ああ…ベッドに運べばいいってことかな?」

答えが分かってホッとして美奈子さんの体を抱えあげた。ぎゅう、と抱き着かれるとさすがに心拍数が上がってしまう。ベッドに下ろしても美奈子さんが僕から離れない。

「あ、あのね?美奈子さん…離してもらっていいかな?」
「や、です」
「こ、困ったな…。じゃあ僕はどうすればいいのかな?」
「きす、したい、です」
「え!?いいいいいいや、ちょっと、それは、今はマズイというか…なんと言うか!」

この状況でキスなんかしてしまったら僕の軟弱な意思なんてどこかにいってしまいそうになる。
美奈子さんの絡みついた腕がゆるめられ僕を見上げる。ほのかに紅潮した頬がとても色っぽく、潤んだ黒目がちの大きな瞳に吸い込まれそうになる。
ゴクリと唾を飲み込んだ。

「たまお、さん…」
「ままままままって、そういう事は君がその、元気になって…」
「あつ、くて…こおり、たべたい…」
「え!?あ、あぁ、氷ね!?待ってて」


スルッと腕が僕の首から離れ美奈子さんがベッドに体を沈めた。
ホッと一息ついて気持ちを落ち着かせ、キッチンから氷を持ってきてベッドサイドに腰掛けた。

「食べれる?」
「くちに、いれてください…」

あーん、と開いた口に1つ氷を入れてあげるとプクッと頬が膨れた。ペロリ、と美奈子さんが唇を舐めると唇が濡れて艶めいた。

「おいしい…」
「…………少し眠るといいよ」

強固な理性で自分の気持ちに歯止めをかける。ヨシヨシと美奈子さんの頭を撫でるとフワリ、と微笑んで美奈子さんは目を閉じた。


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