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▽ 男より男前なライバル


次の日いつも通りに美奈子に声をかけても花椿がすぐに来て美奈子を連れて行かれる
マジかよ…
何なんだよあの女…
美奈子に全く近づけねぇ
放課後まで一度も接触出来ず
最悪だ…
教室で悶々としてたら、扉があいてニヤニヤしながらルカが入ってきた



「コーウ?」

「あぁ!?」



こういう時ぜってぇムカつく事言い出すんだ



「うわー、凶悪な顔が益々凶悪〜」

「ぶん殴るぞ」

「美奈子とケンカ?」

「はぁ?してねぇよ」

「美奈子は怒ってるよ?コウが美奈子に可愛くないって言ったんでしょ?」

「言ってねぇよ!」

「え〜?コウにそう言われたって言ってたよ?」

「はぁ!?」



言ってねぇ!少しからかっただけで、んな事一言も言ってねぇぞ!



「美奈子可愛くないの?」



可愛いからからかいたくなんじゃねぇか


「…お前に関係ねぇだろ」

「えー、聞きたいなー、俺ー」

「うるせぇな!ほっとけよ!」




しつこく俺が美奈子をどう思ってるか聞きだそうとするルカを振り切って、校内をウロウロしてると花椿と宇賀神の真ん中に挟まれた美奈子がいた



「おい、ちょっとこい」



一斉に女共が振り返り、全員が俺を睨む
面倒だな女の連帯感ってやつか?



「またなの?バカヤンキー」

「うるっせーな、お前に話してんじゃねぇんだよ、来いよ美奈子」

「…嫌」



嫌じゃねぇんだよ!こうなりゃ意地でも連れてってやるよ
ブッスリとしてソッポを向く美奈子の腕をむんずと掴んだ


「いいから来い!」

「いっ、痛い!離して!」

「ちょっと!バンビに何すんのよ!」

「…やっぱり、粗暴…」

「うるっせぇな!てめぇらは黙ってろ」



なぁにがバンビだ!

キーキー騒ぎ始める女共から離れようとしない美奈子を片手で担ぎ上げた
呆気に取られた女共を置いて、抱え上げられ、ジタバタ暴れる美奈子をそのまま拉致る



「ヤダ!何するの!?おろしてよ!」

「暴れてパンツ見えてもしんねぇぞ」

「…コウくんの、バカ…」

「うるっせーよ」




誰もいなくなった教室まで連れてきて、大人しくなった美奈子を下ろしてやると、不満そうな顔をして俺を見上げる


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