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▽ モテる女とモテる男


「仕方ないからお弁当と…飴ちゃん交換してあげる」



精一杯の譲歩?
ちょーっと、悪い事思いついちゃったな俺



「口の中の飴ちゃんしかないけど、交換してほしいな、いい?」

「な、な、何っ!」



急に赤くなっちゃってかわいいな
美奈子にキスしようとしたら、お腹にボンってお弁当が押し付けられた
ちくしょう…もう少しだったのに



「お、お、お弁当もうあげる!」

「えー?悪いから飴ちゃんあげるって」

「い、いいっ!いらない」



ギュッって美奈子に抱きついたら、真っ赤になって俺の体を押した



「いっつも、いっつも抱きつかれるの困る!」

「何で?」

「ルカくんは何でもないかもしれないけど、わたしは…!」



それは俺を意識しちゃうって事でいいのかな?そうだったらもう遠慮しないけど



「俺の事好き?」



これ以上ない位真っ赤になっちゃった
かわいいな美奈子
黙ったまま俯いてスカートをキュッて握ってる
顔を覗き込んで美奈子にキスをした



「好きだよ、美奈子の事が好きだから抱きついたりしちゃうの、ダメ?」



いつもの美奈子の小首を傾げるクセを真似して問い掛ける
美奈子がビックリした顔してすぐにはにかんで笑う
やっぱ笑った顔が1番かわいいや



「…それ…なら、いいかも…」

「じゃあ、もう美奈子は俺の!他の男に告白されないで!」

「ルカくんこそ他の女の子に告白されないで!」



二人でヤキモチ妬きあって、笑って、もう一度キスして唇を離すと口の中の飴がカランてなった



「…甘いね」

「キスが?飴ちゃんが?」

「わかんない」

「わかんないなら、もう一回してもいい?」

「…う、うん」



本当にキスが甘いのか、飴ちゃんが甘いのかわかんない
だけどきっと2人で過ごす時間は甘いよね



「俺の事好き?」

「大好きだ…よ」

「お弁当エビフライ入ってる?」

「入ってるよ」

「食べていい?」

「いいよ」

「美奈子をだよ?」

「だ、ダメ!」

「冗談だよ」

「ルカくんのバカ!」

「はい、お弁当と交換ね」



口移しで飴ちゃん渡すと、美奈子の頬っぺたがプックリ
外からそれをチョンと触ると、また照れちゃってかわいいな
恥ずかしがり屋の照れた顔も、もうぜーんぶ俺だけのもの


そのうちさっきの冗談でもなくなっちゃうよ?
覚悟しといて




END


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