『えーっ』とか言う女の子達を尻目に、美奈子の走って行った方を追いかけたけどいない
教室にもいないし、どこ行ったんだよ…

屋上に行くと美奈子がコウにお弁当渡してた
なんっだよそれ！



「美奈子、俺のは…？」

「ないよ、さっき貰ってたし、わたしのお弁当なんか必要ないでしょ？」

「お腹空いたー！しかもあれ貰ってないし！」

「貰ってたじゃない！ニコニコして！」

「してないよ！」

「ケンカか？」



コウがニヤニヤしながら俺をみた
ムカつく…
ちゃっかり美奈子のお弁当貰っちゃってさ
後から絶対ぶっ飛ばす
大体コウにも作ってあげてんのもヤキモチなのに
あー、いいよ、もういい
飴ちゃん食べてしのぐし！



「そうだね、お弁当２個も食べらんないし」



貰ってないけど悔しいし、ニヤニヤしてるコウが何よりムカつく…
ちょっと意地になっちゃった
だけど、プゥっと膨れる顔もかわいいな



「コウくん行こう！」

「あぁ？マジかよ？」



美奈子がコウの手をグイグイ引っ張って、どうにかしろって顔でコウが俺をみた
連れられてくコウって面白いな…

じゃなくて、今日お昼抜きってこと？どうすれば機嫌直してくれるのかな？

あーあ、天気いいしこのまま屋上でサボっちゃお

いいアイデア浮かぶかもしれないし




午後のチャイムが鳴っても、授業受ける気にはなれなくてまだ屋上にいた
だってお腹空いてるんだもん

ポッケに入ってた飴ちゃん位じゃ、育ち盛りの高校生はもたないよね
ぼーっと空を見てたら屋上の扉が開いた



「またサボり？」

「美奈子もじゃん、俺はお腹空いて授業受ける気しないよ」

「…お弁当…貰ったんでしょ？」

「貰ってないよ」

「２個食べれないって言った」



それは売り言葉に、買い言葉だよ
美奈子のお弁当しか食べたくないよ
やっぱりヤキモチ決定だね



「美奈子がコウにばっかりあげるからだよ」

「女の子達にお弁当貰って嬉しそうにしてたでしょ？」

「してないよ、美奈子だって、告白されてソワソワしてたじゃん」

「してないもん！」

「してた！」



二人で睨み合ってて、フイッと美奈子から目を逸らすと、美奈子が近づいて、ちょっとだけ距離を空けて隣に座る



「本当に食べてないの？」

「食べてないよ、美奈子が意地悪するから、俺お腹減って倒れちゃうよ、飴ちゃんの食べ過ぎで、口の中切れて痛いしどうしてくれるの？」



カラカラ口の中の転がしてた飴を舌に乗っけて、べぇって見せて口の中に戻す

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