「嫌！」


オレの言葉にビックリして、アンタが振り返る


「ニーナ…？」

「他の男とつき合うなよ！今すぐアイツと別れろよ！」

「え…？何？」

「嫌なんだ！美奈子ちゃんが他の男のモンになんのなんかぜっっったい嫌だ！！」


パチクリした目でオレをみてた
だけどもう止まんなくて
あんなにまだ言わねーって決めてたのに


「に、ニーナ？」

「美奈子ちゃんが好きなんだ！」


言った後にかなりシマッタって思った
シーンってして何にも言わないアンタ
友達ポジション崩壊…
もう…ダメだ…
顔も上げれません…


「…それ、ホント？」

「…うん」


アンタがオレに近づいて来て、下から顔を覗き込んだ


「わたしもニーナが好きだよ」


顔を上げると一緒にアンタが顔を上げてニッコリ笑う
マジで？


「…か、からかってないよね？」

「うん」

「アイツと…つき合うんじゃないの？」

「お断りしたよ、好きな人いるって」

「…それって…オレ？」

「そうだよ、本当は告白された時、好きな人がいるって言おうとしたのに、本人が出て来ちゃったから、ビックリしたよ」


あのまま聞き耳立ててりゃ、こんなダセー告白なんかせずにすんだかもしんねーのに…
オレってマジついてねー
…ついてるか、アンタの気持ちが知れたから


「美奈子ちゃんが他の男にとられるって思って焦ったんだもん」

「えー、なのにわたしに他の男とつき合えば？とか言ったの？ショックだったよ？」

「オレだってナンパばっかしてるーとか、人を真剣に好きにならないーとか、関係ないとか言われて、マジショックだったんですけどー？」

「…ニーナ、ナンパばっかりしてたもん」

「それってヤキモチって事？」


プゥって膨れてアンタがオレを見上げる
ヤキモチも嬉しい
ホンッと怒った顔もかわいいよな


「美奈子ちゃんに会ってから、オレ一度もナンパなんかしてねーよ？アンタに本気」

「…本当？」

「本当」


嬉しそうに笑うアンタにつられて笑う


「好きだよ、美奈子ちゃん」

「わたしも、ニーナが大好きだよ」


ギュッと手を握って見つめ合って、美奈子ちゃんに人生初のキスをした

少し恥ずかしかくて、唇が離れた途端二人で照れちゃったけど、もう一度キスしたら、今度は嬉しくて自分のカノジョなんだって思えたんだ

こんな友達ポジション崩壊なら、もっと早く崩壊させとけば良かったなんて、美奈子ちゃんには内緒だけどね




END

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