。トリップ | ナノ


▽ 開いちゃった二次元の扉


次の週末、何度もエンディングみたり、アルバムみたり心もほっこり

あ〜いいな〜
こんな風に大好きとか、カワイイとか毎回言われたら、少しは可愛い女になれるのかなぁ

そんな男現実にいるの?
いない!いない!もういいの!わたしにはニーナがいるもん!

アルバムスチルでニーナをタッチペンでチョンチョンタッチ…
それを何度も繰り返す
よし、この際エアニーナだ!
アルバム2人で眺めてる気になってみよ


『あー、好きになりかけ…みたいな?その分今スゲー好き』

「わたしもー!」


バカかーーっ!わたしーーーっ!
痛いわーーーーーーっ!!
何会話してんのーー!
ゴロゴロ床を転がって、足をテーブルにぶつけた


「痛ぁっ!!」


い、痛い…
体まで痛い…
はぁ、むなしい…


「ダメだ…、もう寝よ…」


誰もみてないしどうでもいいや…
見られてたら穴、自分で掘って入ってるね
DSを閉じてベッドに横になり、手元のリモコンで電気を消した
すぐに襲う暗闇と睡魔
ここ最近ときメモのやり過ぎで、あんまり寝てなかったから、すぐに夢の世界に旅立った




「…うーん」


何か狭くてウッスラと目を開ける
目の前には無邪気な寝顔…
左耳に緑と水色のピアス…
茶髪に前髪だけちょっと明るい色…

あー…ニーナだ…
DSつけっぱなしだっけ…?
やっぱ可愛いなぁ…


これ何のスチル…………?


ないよこんなの
あんなに毎日スチル見まくったこのわたしが見間違うはずない
急に意識がハッキリしてきて、ベッドから飛び起きる


依然としてスヤスヤ寝息を立てるニーナ

な、なに!?
これ夢!?
それともわたしのDSはいつの間にか3DDSになったの!?
透けてないけど!?

いや待てよく考えて?わたし…!


もしかしたらほら!等身大ニーナの抱き枕ー!


……もってないわ!そんなもん!
あったら573ショッピングサイトで買っとるわ!


恐る恐るそっとニーナに触れてみる
あ、あったかいんですけどー!?


「ん…?」

「あっ…の?」

「…オハヨ、美奈子ちゃん」

「お、お、おはようございま…す」


目を擦りながらムクリと体を起こして、んーって背伸びをするニーナ
壁に張り付いて、状況理解出来ないわたし


「何なの美奈子ちゃん!おはようございますってー!」


明るく笑う顔も、声も、体つきもニーナだ…
夢…?夢だよパネェ夢


「あんまジッとみんなよ!エッチ!」

「す、すみませ、せ、せん」

「ブハッ!何それー!ウケるー!」


間違いなくニーナだよ!
いやーん!超かわいいー!
じゃなくて!
ちょ、ちょっとどういう事なの!?
誰かわたしにキック&パンチお願いします
ガン見してるわたしをニーナが不思議そうに見つめてきた


「美奈子ちゃん、どうしたの?」

「何で…ニーナがここに…?」

「オレに会いたかった?」

「はぁ…まぁ…」

「何ー?その反応!マジ、ショックー!オレは美奈子ちゃんに会いたかったのにさ!酷くね?」

「わ、たしも…会いたかった…よ?」


いや…あくまでも願望、夢でみれたらいいな!とかそんな感じだよ?
マジで開くと思ってないじゃない?2次元の扉って
開いたら開いたで、わたしは一体どうすれば…?


「マジで!?スッゲ嬉しい!」


凄い無邪気な顔でニコニコ笑うニーナ
だけどやっぱり状況を理解出来なくて、頭はパニックのまんまで本物の声に心臓はバクバク



これ…ホントに夢じゃないの…?



To be continued…


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