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▽ 会えて良かった


メチャメチャ笑い出したオレを、真っ赤な顔で抗議しだす美奈子ちゃん


「そ、そんなに笑わなくてもいいでしょ!?」

「マジ、ゴメン…!」

「ジャージ楽なんだもん、ゼッケンついてないよ!?」


ちょっと待って!
ゼッケンとか関係ないし!

ツボに入っちゃったオレは、笑いっぱなしで、まさか皆の憧れの的なこの人が、家でジャージでゴロゴロしてて、掃除の邪魔してみたり、感動する映画みたら、ボロボロ泣いて、しばらくして思い出し泣きしたり、そんで鼻かんだ『ティッシュート』は、100発0中で全く入んなくて、結局拾いにいって『ティッシュダンク』とか言っちゃうんでしょ?
それも外しちゃって、何食わぬ顔でティッシュ捨てるよね?


「ヤッバイ、すげー面白いアンタ!」

「な、なんなのー!?」

「すっげー大好き!」

「なっ、きゃっ…!」


ギュッて思いっきり抱きしめた香りは夢と全く一緒
感触も一緒


あん時さよならだってわかったから、紙にメッセージをいっぱい書こうと思った
いざ書こうと思ったら、住む世界が違うアンタには、二度と会えない気がしたし、下手な言葉は選べなかった
あの時本気で好きってオレは言えなかった

だからもう一回会えたらすぐに気持ちを伝えたかった


「マジで大好きだよ美奈子ちゃん」

「え?」

「オレとつき合って」

「ほ、ほんとに…?」

「拒否権ねーよ?」

「ないんだ!」


クスクス笑って、オレを見つめる目は凄く優しい


「ほっとくと、アンタどんどん面倒臭がり屋さんになっちゃうし?」

「なーりーまーせーん」

「だから一生離さねぇよ?マジで」

「のぞむところだ!」


膨れた顔が笑顔に変わってく
ずーっと大事にしたい
もう一人の美奈子ちゃんに会わなきゃ、ずっと年下コンプレックスから逃れらんなかった
ビビって告白なんか出来なかった


美奈子ちゃんだって普通の女の子だ
どんどんキレイになってくから一人で焦ってた
ずっと側に居てくれてたのに…


アンタに会えて本当に良かった…
抱きしめる手に確かな温もりを感じた




END


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