▽ 会えて良かった
ものすごく長い夢を見てた
すっげー面倒臭がりやさんの大人美奈子ちゃんと、一緒に暮らす夢
夢っていう程曖昧じゃなくて、かなりリアルだった
携帯のアラーム音で、目が覚めて夢だったのかって少し淋しくなった
開いた携帯のカレンダーは別に進んでもない
携帯に入れてた今日のスケジュールは、美奈子ちゃんとデート予定
すっげ楽しみで、会いたくて、会いたくてたまらなかった
頭がボーッとしてる
寝起きだからなのかな
俺…どうしたんだっけ?
そのまま眠っちゃったんだっけ?
時間を確認すると、ゆっくり準備なんかしてるヒマなかった
「やっべぇ!間に合わねぇし!」
髪セットして、服引っつかんで、財布お尻のポケット突っ込んで、慌てて家を出てデートの場所に向かう
完全に遅刻っぽい
待ち合わせ場所に向かう途中、美奈子ちゃんにはすっげ会いたい逸る気持ちとウラハラに足取りが重くなっていく
何て言っても場所がなぁ…
デートに誘われても、その場所言われりゃ断って、2日後とかまた違う所誘い出して、バレないように必死で隠してきた
高い所苦手な事…
自分で苦手だとかカッコ悪い事も言えないしなぁ…
はぁ、って深いため息ついて、バス停に美奈子ちゃんの姿を見つけて走って近づいた
振り返ったアンタは相変わらずカワイイ
夢と違って、少しだけ幼い感じがする
「もー!遅いよ!」
「ゴメンって!」
「覚えてなさいよ?」
「わかりましたって、お姫様」
「うむ!」
フワッと笑う顔に頭がクラクラしちゃいそう
すぐに到着したバスに、乗り込んで目的地へ向かう
行き先は、はばたき城
あー…もー、ヤダヤダ…
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