。トリップ | ナノ


▽ 夢が覚めるとき


ニーナから終わりって言われて、口ごもって俯いてしまった
頭を上げさせられて、顔を覗き込まれて、ドキッとする
これは最後まで慣れなかったな…


「また会えるっしょ」

「…うん」


画面越しにならいつでも会える


「もう女の子サボッちゃダメだかんね?」

「うん」

「マジで?」

「マジで」

「サボった時は、また来ちゃうかも〜」


そんな事いったらまたサボちゃうよ
可笑しくて、ふふっ、と笑いがこぼれた
こうやって、ニーナはずっと助けてくれた


「わたしね、旬平くんに会えなかったら、毎日ダラダラ過ごして、つまんない、つまんないばっかり言ってた」


ニーナはそんなわたしを救いに来てくれた王子様?いや、先生だな…!


「今は?」

「楽しいよ、毎日」

「オレのおかげ?」

「うん、旬平くんのおかげ。本当にありがとう」

「オレもすっげ楽しかったよ」


お別れだけど、お別れじゃないんだよね
ただ、いつも通りに戻るだけ


「うん、楽しかった」

「ハグしていい?」

「うん」


ギュッてされたら、ニーナはあったいし、まるでこの世に存在してるみたいだった


「頑張ってる美奈子ちゃんが大好きだよ」

「ありがとう」


2次元美奈子を愛してやってよね
ギュッて抱きつき返して、数秒後に腕の中の温もりは消え、支えをなくした体をソファーに横たえた


「…あっけないな…」


だけど涙は出なくて、不思議な気持ちに包まれてた


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